ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)の株価が大幅に上昇しました。9月17日の米国市場の午前の時点で、HPEの株価は約5.31%も急騰しました。この急激な株価上昇の背景には、バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチのアナリスト、ワムシ・モハン氏による強気の評価が影響しています。
バンク・オブ・アメリカの評価引き上げ
バンク・オブ・アメリカのワムシ・モハン氏は、HPEに対する格付けを従来の「ホールド」から「買い」へと引き上げ、今後の株価上昇を期待する声を強調しました。同氏、HPEの目標株価を24ドルと設定し、これは16日の終値から約39%の上昇余地があることを意味しています。この目標株価は、投資家にとって非常に魅力的な展望を示しています。
モハン氏の強気な見通しは、HPEの経営陣が継続して進めるコスト削減施策と、急成長中の人工知能 (AI) インフラ市場を活用するための準備が整っている点に基づいています。AI技術の拡大は、HPEにとって長期的な成長の原動力となる可能性が高いと同氏は述べています。
ジュニパーネットワークスの買収が追い風に
さらに、HPEは140億ドル規模で進行中のジュニパー・ネットワークス(JNPR)の買収を間もなく完了させる見込みです。モハン氏は、この買収に伴うコスト削減が予想を上回る可能性があると指摘しています。この買収によって、HPEはAIやクラウドサービスなどの分野でさらなる競争力を強化することが期待されています。
CFOによるコスト削減の取り組み
HPEの最高財務責任者 (CFO) であるマリー・マイヤーズ氏のリーダーシップの下、同社は「大幅な」コスト削減を進めており、この取り組みも株式の魅力を高める要因となっています。コスト削減策が成功すれば、HPEはより効率的で競争力のある企業へと変貌を遂げ、投資家にとって魅力的な投資先となるとモハン氏は考えています。
株価の適正評価と今後の見通し
モハン氏は、2026年に同社が達成すると予想する1株あたり2.40ドルの10倍が、この株式の価値であるべきだと考えています。現在、HPE株は2025年の1株あたり利益予想の約8倍で取引されており、これは6倍〜13倍という過去のレンジの下限に近い水準であると同氏は述べています。この低評価が修正されれば、今後の株価上昇が期待されます。
市場での反応と今後の注目ポイント
17日の市場が開いた後、HPEの株価は6.8%高の18.4ドルまで上がりました。S&P 500種の中でも17日朝における最高のパフォーマンスを記録し、投資家の間で注目を集めました。HPEは引き続き、AIインフラ市場やクラウドサービスの成長を取り込むための戦略を推進しており、その将来性に対する期待が高まっています。
投資家にとって、HPEはコスト削減施策と成長市場での競争力強化を背景に、今後も魅力的な投資先となる可能性があります。