HPE株価急落!決算好調もAIサーバー市場の利益率低下に注目

  • 2024年9月6日
  • 2024年9月6日
  • BS余話

9月5日の米国市場でヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)の株価が四半期決算の発表を受けて大きく下落しました。投資家は売上高や利益予測の改善にもかかわらず、利益率の低下に注目し、HPEの株価は一時 4.5% も下がりました。

HPEの第3四半期決算の内容

HPEは2024年7月31日に終了した第3四半期の決算で、アナリスト予想を上回る業績を報告しました。

  • 1株当たりの調整後利益 は 50セント で、コンセンサス予想の 47セント を上回りました。
  • 売上高 は 77億1000万ドル と、予想の 76億7000万ドル を超えました。

最高財務責任者のマリー・マイヤーズ氏は、HPEがAIインフラ市場でのシェア拡大に向けて堅実な体制を整えつつあり、コスト管理の取り組みが好調であることを強調しました。これに伴い、同社は2024年度に向けた 1株当たり1.92ドル〜1.97ドル という調整後利益の予測を引き上げました(以前の予測は1.85ドル〜1.95ドル)。

株価下落の要因は「粗利益率の低下」

しかしながら、決算の全体的なポジティブな結果にもかかわらず、投資家は粗利益率の低下に着目しました。第3四半期の 粗利益率は31.6% で、前年同期から 4.2ポイントの減少 となっています。この点が株価下落の要因となり、5日の取引序盤でHPEの株価は9.4%下落し、17.00ドル となりました。

アナリストの見解

HPEの粗利益率低下について、複数のアナリストがコメントを発表しています。

  • サスケハナのアナリストであるメフディ・ホセイニ氏とバスティアン・フォコン=モラン氏は、「AIサーバーは利益率を圧迫する!」という調査メモのタイトルで、AIサーバー市場での競争激化が利益率に影響していることを指摘しました。彼らはHPE株を「中立」と評価し、目標株価を 20ドル としています。
  • J.P.モルガンのサミク・チャタジー氏率いるアナリストチームも、HPEの粗利益率低下に対する投資家の懸念が高まっていると述べ、AIサーバー市場での競争の激しさを強調しました。
  • エバコアISIのアナリスト、アミット・ダリャナニ氏も同様の見解を示し、「HPEはAIサーバー市場での売上増加に成功したが、粗利益率の圧力を避けられなかった」と述べ、株価目標を 22ドル と設定しています。

HPEの未来展望

AIインフラ市場の成長が続く中で、HPEはシェア拡大に向けた強固な戦略を持っていますが、利益率の圧迫が短期的な課題として浮上しています。同社が、競争が激化するAIサーバー市場でのコスト管理をどのように改善し、利益率を維持できるかが今後の焦点となりそうです。

まとめ

ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は、四半期業績がアナリストの予想を上回る一方で、粗利益率の低下が投資家の懸念を呼び、株価は一時的に下落しました。今後もAI市場での競争が続く中、HPEがどのように成長を維持し、利益率を改善するかが注目されます。

*過去記事「HPEとエヌビディアの提携でAI革命が加速!企業向けAIソリューションの未来

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