スノーフレーク(SNOW)の最新決算が予想を上回る結果を示したものの、投資家やアナリストの期待には完全に応えることができなかったことが明らかになりました。8月21日に発表された決算で、同社の売上高は前年同期比で増加しましたが、過去の四半期で見られたような大幅な成長は達成されませんでした。このため、同社の株価は22日の米国市場で14.7%も急落して115.21ドルとなり、過去半年で最悪の1日当たりの下落率を記録する事態となりました。
成長鈍化への懸念
モルガン・スタンレーのアナリスト、キース・ワイス氏は、スノーフレークの業績が市場予想を約2%上回ったものの、前四半期の5%超過には及ばなかった点を指摘しています。ワイス氏は、「成長鈍化の軌道は、競争激化に関する既存の弱気な見方を覆すことはできない」と述べており、同社の成長に対する投資家の不安は依然として残っていると指摘しています。
投資家が求めるもの: より具体的な成長シグナル
ワイス氏は、スノーフレークが直面している「最適化の逆風」が和らぎつつあり、新製品のイニシアティブが浮上していることから、成長を支える要因となるはずだとしています。しかし、同氏はまた、投資家がより具体的な成長シグナルを必要としている可能性が高いとも述べています。ワイス氏はこの株式を「イコールウェイト」と評価し、目標株価を175ドルと設定しています。
経営陣への期待と不確実性
バーンスタインのマーク・モールドラー氏も、スノーフレークの経営陣に対して、今後の成長見通しについてより明確な指針を示す必要があると指摘しています。同氏は、スノーフレークが今年初めに2029年度の予測を撤回したことを挙げ、「予測不可能な指針」を示していることが、投資家の不安を増大させていると述べています。モールドラー氏は、この株式を「市場パフォーマンス」と評価し、目標株価を130ドルとし、以前の185ドルから大幅に引き下げました。
四半期成長率の鈍化と見通しの保守性
ウェドブッシュのアナリスト、タズ・コジャルギ氏も、スノーフレークの製品売上高が前期比で伸びが鈍化した点を指摘しています。通常、製品売上高は第2四半期の方が第1四半期よりも高い傾向にありますが、今回の結果はその逆であり、利用/消費の鈍化が疑問視されています。コジャルギ氏は、スノーフレークの2025年度の製品売上見通しが引き上げられたものの、その指針が積極的とは言えないと分析し、目標株価を140ドルとしています。
今後の成長の鍵: 新製品とAIへの投資
ドイツ銀行のブラッド・ゼルニック氏は、スノーフレークの新製品の普及が見られる点で楽観的な見方を示していますが、結果は懐疑的な見方をしている人々を説得するには不十分だと認めています。同氏は、スノーフレークがデータ/AIスタックにおける急速なイノベーションによる競争からどのように影響を受けるかについての懸念が投資家に残っていると指摘しています。同氏は目標株価を220ドルから180ドルに引き下げましたが、買い推奨は維持しています。
まとめ: スノーフレークの未来に対する投資家の期待と懸念
スノーフレークの最新決算は予想を上回る結果を示したものの、過去の成長トレンドと比較するとその勢いは鈍化しており、投資家やアナリストの期待を完全に満たすには至りませんでした。競争の激化や成長の不確実性に対する懸念が残る中で、スノーフレークの経営陣はより具体的な成長シグナルを提供し、長期的なビジョンを示す必要があります。投資家は、同社が新製品やAIへの投資を通じてどのように成長を遂げていくかを注視しており、これからの発展に対する明確なガイダンスを求めています。
*過去記事はこちら スノーフレーク SNOW