エヌビディア(NVDA)の株価は、7月19日の米国市場でじりじりと値を下げました。同社はその投資帝国を拡大しているものの、市場は潜在的な地政学的リスクに注目しています。
19日の株価の動き
前日の18日に株価は2.6%上昇しましたが、19日は時間の経過とともに下落し、終値は2.61%安の117.93ドルでした。ドナルド・トランプ前大統領が半導体のサプライチェーンに欠かせない台湾について発言したことが影響しているようで、この発言を受け、投資家はチップ・セクターの安全性を見極めようとしています。
専門家の見解
ウェドブッシュのアナリストであるダニエル・アイブス氏は、19日付けのリサーチノートで「我々は、’トランプ・トレード’がAI革命のテーゼとハイテク強気相場を台無しにすることはないと考えている」と述べています。ウェドブッシュはエヌビディア株の目標株価を120ドル、格付けを「買い」としています。
競争環境の変化
もう一つの懸念材料は競争です。カスタムチップのスペシャリストであるブロードコム(AVGO)は、ChatGPTの開発元であるOpenAIと新しいAIプロセッサーの開発について交渉中であると報じられました。ブロードコムは19日の朝方に一時上昇しましたが、終値は2%安となっています。
他のチップメーカーは、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が2.7%安、インテル(INTC)が5.4%安といずれも下落しています。
エヌビディアの新たな投資
エヌビディアはロボット工学への取り組みを拡大しています。同社は証券取引委員会に提出した書類で、歩道ロボット配送会社(ラストマイル配送サービス用の次世代ロボットの開発を行う)サーブ・ロボティクス(SERV)の株式62,500株を購入したと発表しました。エヌビディアは1株4ドルで購入し、4月にも同社に投資していたことを明らかにしました。
これを受けてサーブ・ロボティクスの株価は187%高の7.55ドルと暴騰しています。
まとめ
エヌビディアは地政学的リスクや競争環境の変化に直面しつつも、ロボット工学への新たな投資を行うなど、積極的な事業展開を続けています。今後の動向にも注目が集まる中、投資家はこれらのリスクと機会を慎重に見極める必要があります。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA