人工知能（AI）の発展に伴い、データセンターに必要なエネルギーも急増しています。アマゾン・ドット・コム（AMZN）は、この問題に対する答えとして原子力エネルギーに目を向けています。本記事では、データセンターのエネルギー消費の現状と将来予測、そしてアマゾンの戦略から利益を得そうな銘柄について詳しく解説します。
データセンターとエネルギー需要の増加
AIの導入により、データセンターは新しいサーバーを次々と導入し、その消費電力は増え続けています。ゴールドマン・サックスの分析によれば、データセンターは現在の約3％から2030年までに米国全体の電力需要の8％を占めるようになると予測されています。
アマゾンは、マイクロソフトやグーグルと競合するため、今後10年間で1000億ドル以上をデータセンターに投資する計画です。このため、データセンター事業者は、24時間365日の供給が信頼できる電力とクリーンエネルギーを求めており、原子力エネルギーは、汚染された化石燃料や断続的な再生可能エネルギーに代わる適切な選択肢となっています。
アマゾンとコンステレーション・エナジーの協力
アマゾンのクラウドコンピューティング部門は、東海岸の原子力発電所から供給される電力について、コンステレーション・エナジー（CEG）との契約に近づいています。同社は米国の原子力発電所の約3分の1を所有しています。
原子力エネルギーの潜在的受益者
バロンズ紙による調査によれば、コンステレーション・エナジー、ヴィストラ（VST）、タレン・エナジー（TLNE）、パブリック・サービス・エンタープライズ・グループ（PEG）が潜在的な受益者として挙げられています。
アマゾンは3月、ペンシルバニア州にある原子力データセンターをタレン社から6億5000万ドルで購入しました。一方、マイクロソフトは今年、小規模原子炉を開発するために原子力技術担当ディレクターを採用しました。
UBSアナリストの見解
UBSのアナリスト、ウィリアム・アピチェリ氏は、「コンステレーションは規制されていない最大の原子力発電事業者であり、同様の契約を結ぶ機会を得るのに最も適した立場にある」と述べています。アピチェリ氏は、コンステレーション社の株式に「買い」の格付けと249ドルの目標株価を設定しています。コンステレーションの株式は、7月2日の終値で2.39%高の取引で205.56ドルとなっています。
まとめ
アマゾンの原子力エネルギーへの関心は、データセンターのエネルギー需要を満たすための一つの解決策として注目されています。AIの発展に伴うエネルギー需要の増加に対処するため、原子力エネルギーの活用は今後ますます重要になると思われます。
＊過去記事はこちら アマゾン AMZN