決算を控えたブロードコム株価の展望:AIブームの持続可能性と今後の成長戦略

過去1年で65%上昇したブロードコム(AVGO)の株価は、最近3カ月で約6%下落しました。3月の第1四半期決算発表では通期売上高500億ドルのガイダンスが示されましたが、市場を驚かせるものではなく、株価は横ばいとなっています。しかし、ブロードコムの次回決算発表が6月12日に予定されており、ウォール街の信奉者たちは今が投資の好機と見ています。

AIブームとブロードコムのリーダーシップ

ブロードコムはファブレス半導体プロバイダーとして、多くのカテゴリーでリーダーシップを発揮しています。特に注目されるのは、ネットワーキング部門の売上高が全体の30%を占めており、AIアクセラレータ(XPU)とネットワーキングチップが消費者インターネット企業に多く販売されていることです。メリウス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツェス氏は、ブロードコムの2026年度の予想株価収益倍率を28倍とし、「買い」の格付けを維持、目標株価を1850ドルとして同社のカバレッジを開始しました。これは1317ドルあまりの現在の株価から40%の上昇の余地があることを示唆しています。

AI ASIC市場でのリーダーシップ

ブロードコムは高性能AI ASIC(アプリケーション特定集積回路)市場でリーダーシップを持っています。アルファベット(GOOGL)のグーグル部門などの大手企業と協力してAI用のカスタムチップを設計し、ネットワーキングチップも提供しています。

現在、この部門は年間100億ドルの売上をもたらしていますが、ライツェス氏は2025年にAI関連売上が160億ドル、2026年には200億ドルに成長する可能性があると見ています。さらに「ブロードコムがカスタムアクセラレーターの顧客をもう一社追加できれば、AI関連の売上は将来的に500億ドルに近づく可能性がある」と述べています。

エヌビディアとの競争と成長の余地

ブロードコムはカスタムAIチップの開発で顧客を支援する中で、エヌビディア(NVDA)という強力なライバルに直面しています。ライツェス氏は、ブロードコムはエヌビディアよりも割安で取引されるべきだが、両社ともに成長の余地があると主張しています。

今後の展望

ライツェス氏は、「我々は企業向けアプリケーションソフトウェアからブロードコムのような半導体や粘着性の高いインフラソフトウェアを扱う企業への市場キャップの世代交代を目の当たりにしている」と述べています。ブロードコムの次回決算発表に注目しつつ、AI関連の成長戦略に期待が高まります。

*過去記事「エヌビディアに続け!ブロードコムがデータセンター市場で躍進

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