4月25日に2024年1〜3月期決算を発表したインテル(INTC)の株価が26日の市場で約10%安と暴落しています。これは同社にとって2020年7月以来最大の株価下落となります。
3月期、同社は最終損益が4億3700万ドルの赤字となりました。最終赤字は4四半期ぶりです。また、
6月期の見通しでは売上高約130億ドルという見込みが示され、これがアナリストのコンセンサス予想である136億ドルを下回るものであったことから株価に大きな影響を与えました。
同社の株価はこのところ低迷していましたが、CEOパット・ゲルシンガー氏による再生努力が予想以上に時間と資金を要することが明らかになったことが市場をさらに失望させたようです。
6月期の業績予測とその影響
インテルの6月期の売上高が予想を下回ることは、市場に大きなショックを与え、株価は大幅に下落しました。特に、一株当たりの利益が予想の24セントに対して10セントにとどまったことが、投資家の不安をかき立てました。
ファウンドリー事業の展開とその課題
インテルは、ファウンドリー事業への転換を進めていますが、この事業は初年度から営業損失が拡大しており、2023年の売上高が189億ドルに減少しました。この事業の未来は、今後の技術開発と市場環境の変化に大きく依存しています。
製品ラインの更新と市場の反応
インテルは、新しいAI対応PCプロセッサーなどの新製品を市場に投入していますが、全ての需要を満たすことができていません。しかし、ガウディ・チップの新バージョンが市場に受け入れられれば、2024年に約5億ドルの売上が見込まれます。
長期的な技術戦略と顧客の拡大
インテルは、最先端の製造技術「18A」の導入を2025年に予定しており、航空宇宙防衛産業など新たな顧客を開拓しています。これが成功すれば、インテルの市場での地位を強化することに繋がります。
経済環境と競争における位置づけ
かつては半導体業界をリードしていたインテルですが、競争が激化する中でエヌビディアや台湾セミコンダクター・マニュファクチャリングとの技術的な差が問題となっています。しかし、インテルはこの困難を乗り越え、再び業界の先頭に立つための重要なステップを踏んでいます。
投資家へのメッセージと株価の将来性
インテルの経営陣は、現在の困難を認識しつつも、長期的な視点からビジネスの改善と成長を確信しています。投資家にとっては、この下落が買い時であるか、または慎重になるべきか、市場の動向と企業の戦略を注視する必要があります。