スーパーマイクロ株の詳細分析:強気と弱気のシナリオが示す未来

スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)の株価は、人工知能(AI)ハードウェアの需要が急増する中で輝かしい業績を上げ、その株価は上昇を続けてきました。しかし、この株の将来の上昇余地については、アナリストの間でも意見が分かれています。キーバンク・キャピタル・マーケットのアナリスト、トム・ブレイクリー氏は4月24日、この議論に新たな視点を提供しました。

株価水準の評価

ブレイクリー氏によると、スーパーマイクロの株価は現在、2024年の予想株価の約27倍と評価されており、これは他のインフラ関連プレイヤーの約28倍とほぼ同水準です。この評価から見ると、スーパーマイクロの株価は既にその業績をある程度反映していることが伺えます。

AIサーバー市場での競争力

スーパーマイクロは、サーバーインフラ市場で約6%のシェアを保持し、その中でもAIサーバー分野でのシェアは10%に達しているとブレイクリー氏は推定しています。同社のAIサーバーにおける地位は、今年中に市場の23%まで急上昇する可能性があり、「今後数年間は、このシェアを拡大しないまでも、維持できるはずの競争力のある堀がある」と同氏は評価しています。

GPUベースのコンピューティング・システムの台頭

また、エヌビディア(NVDA)がGPUベースのコンピューティング・システムで市場に進出しており、これが従来のCPUベースのサーバーを取って代わる可能性があるとブレイクリー氏は述べています。GPUの需要はAIベースのデータセンターを牽引しており、電力の供給問題が解決されれば、さらなる需要増加が見込まれます。

株価のシナリオ分析

ブレイクリー氏は、スーパーマイクロには様々な可能性があると見ています。同氏の強気シナリオ(AIユースケースがアクセラレーテッド・コンピューティングの需要拡大に拍車をかけ、同社が生産能力を拡大し、市場シェアを拡大する)では、株価は1,173ドルまで上昇する可能性があり、750ドルあまりの現在の株価から50%以上の上昇の余地があると見ています。

一方、弱気シナリオ(レガシー・サーバー企業との競争が激化し、アクセラレーテッド・コンピューティングの必要性が現在の予想よりも低下する)では、2024年予想非GAAP利益の14倍というデルとほぼ同じ倍率を用い、株価の底値は268ドルで、約65%の下落の可能性があると同氏は見ています。

ブレイクリー氏はスーパーマイクロの現在の株価水準が公正な価格であると仮定して、強気と弱気シナリオの中間に位置する765ドルを目標株価に設定しています。

まとめ

スーパーマイクロの株価には様々な可能性が存在しますが、AI市場の拡大に伴う強固なポジションは、投資家にとって魅力的な機会を提供していると言えます。今後も業界の動向を注視し、株価の適正評価を見極めることが重要です。

*過去記事はこちら  スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI

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