4月17日の米国市場で、オランダの半導体装置製造大手ASMLホールディング(ASML)の株価が大きく下落しました。これは、同社の第1四半期の受注高が、36億1000万ユーロ(約38億4000万ドル)と、市場予想の51億ユーロを大きく下回ったことによるものです。
ASML株の大幅な下落
ASMLの米国預託証券は、この発表を受けて7.46%安の904ドルと大幅な下落を記録しています(米国東部夏時間11:49 AM現在)。同社の株価は今年に入って30%近く上昇していましたが、このニュースは株価に大きな打撃を与えました。
半導体業界の課題とASMLの展望
ASMLはリソグラフィ装置を供給する業界のリーダーであり、その顧客にはTSMCとして知られる台湾セミコンダクターマニュファクチャリング(TSM)、サムスン電子、インテル(INTC)などの大手が名を連ねています。しかし、AI半導体の需要が高まる一方で、その他の多くのセクターでは、COVID-19パンデミックで需要が急増した後の反動による減速が続いています。
特に、最先端の極端紫外線露光装置(EUV)の受注額が6億5600万ユーロにとどまったことは、業界における新たな課題を浮き彫りにしています。ASMLのCEO、ピーター・ウェンニンク氏は「2024年を業界の転換の年と見ており、景気後退からの回復を経て、年後半は前半よりも好調に推移する」との見通しを示しています。
ASMLの第1四半期の純利益は12億2,000万ユーロ(第4四半期は20億5,000万ユーロ)でした。売上高は72億4,000万ユーロから52億9,000万ユーロに減少しています。
今後の見通しと投資家への影響
ASMLは第2四半期の売上高を57億ユーロ〜62億ユーロ、売上総利益率を50%〜51%と予測しています。これらの数字が、今後の市場の動向や投資家の意思決定にどのように影響を与えるかが注目されます。