投資家必見!HPEのAIハードウェア市場でのポテンシャル再評価

  • 2024年3月5日
  • 2024年3月5日
  • BS余話

株式市場は常に次なる大きなトレンドを求めており、最近では人工知能(AI)ハードウェアがその注目の的となっています。この分野での新たなプレーヤーを探し求める中、投資家たちはヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)のポテンシャルを再評価し始めています。本記事では、HPEがAIハードウェア市場で注目を集める理由と、同社の将来性について詳しく掘り下げます。

HPEの進化とAI市場での位置づけ

2015年、旧ヒューレット・パッカードがHPとHPEに分割された際、HPEはスーパーコンピューター、サーバー、ネットワーク機器などの企業向けハードウェアとソフトウェアの販売を手がけることになりました。2019年には、この分野の世界的リーダーであるクレイ社の買収を通じて、その地位をさらに強化しました。

しかし、HPEの新たな魅力の源泉は、エヌビディア(NVDA)の半導体をベースとしたAIサーバーの受注残が増加している点にあります。エヌビディアのグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)を活用したこれらのサーバーは、AI分野での高い計算能力が求められる中、大きな需要を集めています。

最近の業績と市場の反応

HPEは2022年に本社をシリコンバレーからヒューストンに移転しましたが、最近の四半期では控えめな成長に止まりました。先週、同社が発表した1月期の売上高は、14%減の68億ドルでした。売上高は、経営陣が予想していた69億ドル〜73億ドルの範囲と、ファクトセット調べのアナリストのコンセンサス71億ドルの両方を下回りました。同社は下回った一因として、ネットワーク事業の軟調を挙げています。

HPEの今年の株価の動きはつい最近まで低調なものでした。140億ドルをかけたジュニパーネットワークスの買収について市場から懐疑的な見方をされており、それが株価の重しとなっていました。この買収が公表されたとき、HPEはこの買収を、生成AIに焦点を当てたクラウド・コンピューティング・サイトにおけるネットワーク技術のニーズの高まりに賭けるものだと位置づけましたが、市場は当初この説明に納得せず、この買収に大きな拒否反応を示していました。

そんな潮目が変わったのが週明けの3月4日の市場でした。ライバル会社であるスーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)やデル・テクノロジーズ(DELL)がAIサーバーの需要が急増していると発表して株価が急騰した流れを受け、株価は急上昇。4日の終値は10.22%高の17.15ドルと跳ね上がりました。

株価収益率、売上高株価収益率ともにハイテク株の中で最も割安であることも、HPEが評価されている大きな要因です。最近の急騰の後でも、株価は今年度の推定利益のわずか9倍、推定売上のわずか0.7倍で取引されています。

AI関連サーバーの受注に大きな勢い

アントニオ・ネリ最高経営責任者(CEO)は先週、投資情報誌バロンズに対し、同社はAI関連サーバーで「大きな勢い」を見ていると語っています。同氏によると、HPEは2023年度に入ってから40億ドルのAI関連サーバーの受注があり、受注残は30億ドルに達し、直近四半期では5億ドル増加したとのこと。現在、同社のサーバー売上の25%がAIに関連しているそうです

ネリ氏は、GPUがもっとあれば、最新四半期の売上高はもっと高くなった可能性があるとも述べており、2024年10月期の下半期には、受注残の売上への転換が「加速」し、売上高が増加する見込みだということです。

投資家の見方と将来性

HPEの最新業績に対する市場の反応は最初は冷淡でしたが、AIサーバーへの注目の高まりと、他社との比較で見られる割安感が、投資家にとって魅力的な投資機会を提供しています。また、ジュニパーネットワークスの買収は、生成AIとクラウド・コンピューティングの分野でのネットワーク技術のニーズの高まりに対応する戦略的な動きとして、市場の再評価を受けています。

まとめ

ヒューレット・パッカード・エンタープライズは、AIハードウェア市場での新たな注目株として浮上しています。同社の技術的な進歩と市場でのポジショニングは、投資家にとって魅力的な機会を提供し、AI技術の進展と共にさらなる成長が期待されます。HPEの未来は、AIドライブの技術革新の波に乗り、その潮流をリードする可能性を秘めています。

*過去記事「AIサーバー需要の激増:デルとHPEが見たエヌビディアの成功

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