シノプシスが示すAI革命の影響力: 第1四半期業績から読み解く未来

  • 2024年2月23日
  • 2024年2月23日
  • BS余話

シノプシス(SNPS)は、その最新の四半期利益で市場予想を上回り、通期の見通しを上方修正しました。これは、同社の人工知能プラットフォームSynopsys.aiの「ターボチャージ」効果によるものです。シノプシスのCEO、サシーン・ガジ氏は、「第1四半期は、AIが引き続き顧客の将来の成長に向けたシリコンやシステムへの投資を促進する中、全社的に強力な実行力を発揮し、素晴らしい年明けとなった」と述べました。

この発表は、シノプシスが設計ソフトウェア会社アンシス(ANSS)を350億ドルで買収することに合意してから約1ヵ月後のことであり、市場に大きな驚きを与えました。シノプシスの2月22日の終値は6.87%高の580.9ドルとなり、過去4年で最大の1日の上げ幅を記録しました。

AIとSynopsys.aiの革新がもたらす影響

ガジCEOによれば、AIとスマート・テクノロジーが遍在し相互接続する「Pervasive Intelligence」の時代において、業界全体でパラダイム・シフトが進行しています。シノプシスは、このシフトを活用するために、イノベーションがシリコンからシステムへのアプローチに収束しつつあるテクノロジー業界の中心に位置しています。

デザイン・オートメーション・ビジネスにおいて、シノプシスは力強いデザイン・ウィン・アクティビティとチップ・メーカーやネットワーキング・メーカーでのフルフロー・ディスプレースメントの獲得を誇っています。これらの成功の背景には、デジタルからアナログ、アーキテクチャからサインオフまで、業界をリードするフルフローAIプラットフォームSynopsys.aiによるサポートがあります。

第1四半期業績のハイライト

  • 1月31日に終了した第1四半期の純利益は4億4910万ドル(1株当たり2.89ドル)で、前年同期の2億7150万ドル(1株当たり1.75ドル)から大幅に増加しました。株式報酬費用や投資売却益などの経常外項目を除いた調整後1株当たり利益は3.56ドルで、ファクトセット調べのアナリストのコンセンサス予想3.43ドルを上回りました。
  • 売上高は21.1%増の16億4,900万ドルで、製品売上高は20.8%増の13億5,000万ドル、保守・サービス売上高は22.5%増の2億9,700万ドルでした。
  • 売上総利益率は前年の79.1%から80%に改善しました。
  • 通期売上高ガイダンスは65.7億ドルから66.3億ドルに据え置かれ、調整後EPSの見通しは13.33ドルから13.55ドルに引き上げられました。

市場の反応

キーバンク・キャピタルのアナリスト、Jason Celino氏は、シノプシスの決算発表後に「オーバーウェイト」の格付けと目標株価675ドルを再度発表しました。Celino氏は、シノプシスを10年にわたる成長の中核銘柄として見ており、3月20日に開催されるインベスターデーを次のカタリストとして注目しています。

シノプシスの株価は過去1年で60%近く上昇し、業界全体でもAIの革新による成長が期待されています。

*過去記事「シノプシスがアンシスを350億ドルで買収!株価動向と市場へのインパクト

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