データセンターとAIインフラ市場の競争激化:インテルの立ち位置と今後の方針

インテル(INTC)は、シリコン業界における激動の中で、2023年第4四半期の売上高が前年同期比10%増加し、粗利益率が6.5ポイント上昇したことを報告しました。しかし、2023年通期の業績は、総売上高が14%減少し、総粗利率も42.6%から40%に低下しました。台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)やエヌビディア(NVDA)などの競合他社と比較すると、インテルはコスト管理で苦戦を強いられているように見えます。

インテルの事業部門のパフォーマンス

特に注目されるのが、インテルのクライアント製品グループ(CCG)とデータセンターおよびAIインフラ製品(DCAI)部門です。CCGは、売上高が33%増、営業利益が450%以上の急増を示しました。これは、インテルのノートパソコンやデスクトップCPUチップ市場におけるポテンシャルの高まりと、新型「コア・ウルトラ」チップの導入によるものです。一方、DCAI部門は売上高が10%減少し、営業利益が38%減少するなど、挑戦的な状況に直面しています。

AI PC市場の展望とインテルの位置付け

AIコンピューティングの市場は、クラウドからローカルPCに移行しており、2024年にはPCのアップグレードのスーパーサイクルが期待されています。インテルはこの市場において重要なプレーヤーの一つですが、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やクアルコム(QCOM)といった競合他社も力を入れており、市場は非常に競争が激化しています。

データセンターとAIインフラ事業の展望

データセンターとAIインフラ部門では、インテルはエヌビディアやAMDとの競争に直面しています。特にデータセンター向けGPU製品やAIアクセラレータの分野では、インテルは足場を固めるのに苦労しています。AMDが2024年のAIサーバーチップ「MI300」の売上を数十億ドルと予測している中、インテルがどのような対策を講じるかが注目されます。

今後の展望とインテルの戦略

インテルは、製造と製品の両面で卓越性を示す必要があります。AIモデルを活用すること、新しいインフラ基盤の採用、そしてデータセンターAI分野での進展が、今後のインテルの成功の鍵になると考えられます。

*過去記事「インテルの株価、四半期決算後に大幅下落:市場の展望と分析

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