オラクル(ORCL)は12月11日の市場終了後に11月30日に終了した会計年度第2四半期決算を発表しました。自社のガイダンスとアナリストの予測に達しなかったことで、決算発表後の時間外取引で株価は8.4%安の105.5ドルと大幅に下落しています。
クラウドビジネスの成長鈍化が影響
オラクルのクラウド事業は今年に入ってから好調を維持していましたが、最近の成長鈍化が投資家の懸念を引き起こしています。特に、オラクル・クラウド・インフラストラクチャ (OCI) の成長率が前四半期の29%から25%に低下したことが、この急落の一因となっています。
サーナーの統合問題
また、オラクルは280億ドルで買収した電子カルテ企業サーナーの統合に苦戦しており、これが全体の成長を圧迫しているとの見方もあります。オラクルは、サーナーの戦略をクラウド提供に特化する方針を進めていますが、その過程で事業の混乱が発生しているようです。
会計年度第2四半期の結果
オラクルの第2四半期の売上高は129億ドルで、前年同期比5%の増加を記録しましたが、市場の予想(131億ドル、6.3%増)には届かず、自社のガイダンス(5%〜7%増)も下回りました。ただし、調整後の1株当たり利益は1.34ドルと、市場のコンセンサス予想を上回りました。
クラウド事業の見通し
オラクルのCEOであるサフラ・カッツ氏は、OCIのキャパシティ制約が解消されれば、クラウドの売上がさらに増加する可能性があると述べています。また、創業者でCTOのラリー・エリソン氏は、テスラやSpaceXのイーロン・マスク氏が開発したAIチャットボット「Grok」からの需要増加を指摘しています。
来期の見通し
オラクルの今後の見通しについては、キャッツ氏が2月期の売上成長予想を6%〜8%(サーナーを含む)と発表しています。また、クラウドインフラストラクチャーと生成AIサービスに対する需要の増加が注目されており、オラクルのクラウド事業は年間売上高200億ドル近いランレートで運営されているとのことです。
まとめ
オラクルの株価急落は、同社の最新の四半期決算が市場の期待に応えられなかったことに起因します。しかし、クラウド事業の潜在的な成長とOCIのキャパシティ問題の解消には期待が持たれており、今後の動向が注目されます。