AIアクセラレータ市場における競争は、エヌビディア（NVDA）とアドバンスト・マイクロ・デバイセズ（AMD）の間でさらに激しさを増しています。エヌビディアが市場を支配している中、AMDは新たなAIアクセラレータ「Instinct MI300シリーズ」を発表し、市場に挑戦を仕掛けています。
エヌビディアの優位性とAI市場の発展
エヌビディアは、第3四半期に50万個のAI GPUを販売し、その半分以上がマイクロソフト（MSFT）とメタ・プラットフォームズ（META）に供給されたと報告しています。特に注目されるのはエヌビディアのH100 GPUで、AI企業はサービスの需要増加に伴い、十分なアクセラレータの確保に注力しています。
AMDの挑戦とAIアクセラレータ市場への影響
AMDは、Instinct MI300シリーズを正式に発表し、2024年には20億ドル相当のAI半導体の販売を目指しています。特にMI300Xは、エヌビディアのH100と対抗し、192GBの広帯域メモリを搭載している点が特徴です。この大容量メモリは、大規模な言語モデルが要求する大量のメモリに対する強力な対応策となります。
ソフトウェアにおけるエヌビディアのアドバンテージ
データセンター向けGPU市場でエヌビディアが持つ大きなアドバンテージの一つは、CUDAプラットフォームの存在です。16年間の発展を経て、CUDAは業界標準となり、開発者にとってエヌビディアのGPUは欠かせない存在となっています。
AMDのソフトウェア戦略と市場への影響
AMDは、オープンGPUコンピューティング・プラットフォーム「ROCm」を通じて、ソフトウェア面でエヌビディアに追いつくための取り組みを強化しています。TensorFlowやPyTorchなどの主要なAIフレームワークをサポートするROCmは、エコシステムの拡大を図り、AI関連の買収も積極的に行っています。
まとめ
AIアクセラレータ市場は急速に拡大しており、エヌビディアとAMDの競争は激しさを増しています。エヌビディアがソフトウェア面での優位性を保つ一方、AMDはハードウェアの進化とソフトウェア面での成長により市場シェアを拡大しています。AI市場の将来性は明るいものの、競争の激化により価格設定には変動が予想されます。
＊過去記事はこちら エヌビディアNVDA AMD