マグニフィセント・セブン:株式市場の懐疑論者が見落とす3つの重要ポイント

株式市場には常に懐疑論者が存在し、特に好調な銘柄に対してはより一層厳しい目が向けられがちです。そんな中でも、「マグニフィセント・セブン」と称される銘柄群は、多くの注目を集めています。

アルファベット(GOOGL)、アマゾン(AMZN)、アップル(AAPL)、メタ・プラットフォームズ(META)、マイクロソフト(MSFT)、エヌビディア(NVDA)、テスラ(TSLA)の7社で構成するこれらの銘柄は、株式市場の話題の中心にありますが、懐疑論者たちはこれらの銘柄を避けるべきだと主張します。しかし、実際にはこの懐疑論が間違っている可能性が高いことを別の専門家は主張しており、以下の3点をその理由に挙げています。

「割高」なバリュエーションの正当化

  1. バリュエーションの高さ: マグニフィセント・セブンは、表面的に見ると「割高」に見えます。最近の平均フォワードPER(株価収益率)は35で、S&P 500の平均16.5よりもはるかに高くなっています。
  2. ROEとバリュエーションの正当化: しかし、T.ロウ・プライスの資本市場ストラテジスト、ティム・マーレー氏は、これらの銘柄の高いバリュエーション(株価評価)が、それらの企業のファンダメンタルズ(基本的な経済指標)によって正当化されると主張しています。同氏は、ROE(株主資本利益率)という指標を用いて評価しています。ROEは、経営者がどれだけうまく会社を運営しているかを測る基本的な指標です。
  3. マグニフィセント・セブンのROE: このグループの平均ROEは33%で、これは米国株式市場全体の平均のほぼ2倍に相当します。一般的にROEが15%から20%の範囲が良いとされていますが、マグニフィセント・セブンの多くはそれを大きく上回っています。例えば、エヌビディアのROEは40.2%、マイクロソフトのROEは39.1%です。
  4. バリュエーションの下落に関する見解: マーレー氏は、これらの企業がそのファンダメンタルズを維持する限り、バリュエーションが下がることを期待すべきではないと述べています。つまり、基本的な経済指標が強ければ、高い株価評価は妥当であり続けるということです。

AIトレンドの恩恵

  1. エヌビディアのポジションと製品: エヌビディアはAI技術に不可欠なチップ、ソフトウェア、ネットワーキング技術を提供しています。特にH100チップやB100チップ(来年発売予定)、CUDAソフトウェア、メラノックスの技術はクラウドベースのAIインフラストラクチャを強化しています。T.ロウ・プライスのテクノロジー・ポートフォリオ・マネージャーであるドム・リゾ氏によれば、エヌビディアは年間予測を上回り、業績予想を大幅に引き上げたことから、実質的に株価は低く評価されています。
  2. AI半導体市場の成長予測リゾ氏は、AI半導体市場が2027年までに年平均50%成長し、今年の300億ドルから1500億ドルに増加すると予測しています。
  3. エヌビディア以外の銘柄のAI活用: アルファベット、マイクロソフト、アップル、アマゾン・ドット・コム、メタはチャット、検索、コンテンツ生成などの分野でAIを活用すると予想されます。また彼らはAIコンピューティング・インフラを提供しています。テスラは自律走行技術にAIを利用し、バロン・キャピタル・マネジメントのロン・バロン氏は、これがテスラにとって次の大きなブレークスルーになると指摘しています。

AIによる生産性向上

生産性の向上は、経済と株式市場にとって非常に重要で、以下の2つの理由から特に注目されています。

  1. インフレの抑制:従業員一人当たりの生産量が増えると、企業はコスト増を価格に転嫁する必要が減ります。つまり、インフレ圧力が低減する可能性があります。
  2. 利益の向上:生産性の向上は、企業の利益を増やす可能性があります。過去にも、1990年代半ばから後半の株価上昇は、生産性の継続的な向上が主な要因でした。

新しい技術投資、特にAIの進展が、生産性をさらに押し上げると予想されています。AIは、電気以来の大きな生産性向上要因として、世界経済に影響を与える可能性があると言われています。AIはすべてのワークフローに統合され、生産性の向上とともに株価の上昇も期待されており、その中にはマグニフィセント・セブンの銘柄群も含まれます。

まとめ

市場の懐疑論者たちは、しばしば表面的な数値にとらわれがちですが、マグニフィセント・セブンに関しては、その深層を理解することが重要です。高いバリュエーション、AI技術の活用、生産性の向上は、これらの企業が今後も市場をリードし続けることを示唆しています。

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