AI革命:テック大手がAIスタートアップに数十億ドルを注ぎ込む理由

近年、人工知能(AI)のスタートアップ企業への投資が加速しています。特に、アマゾン(AMZN)アルファベット(GOOGL)、そしてマイクロソフト(MSFT)は、数十億ドル規模でAIスタートアップに投資を行い、その一方でこれらの企業からクラウドプラットフォームの利用料を受け取っています。この現象は、AIブームにおける最大の利益が既に強力なプレイヤーたちの手に渡っていることを示しています。

AIスタートアップとテック企業の相互依存関係

例えば、アマゾンは、ChatGPTの開発者であるOpenAIの競合企業であるアンソロピックに最大40億ドルを投資することを発表しました。これに加えて、アンソロピックは今後5年間でアマゾンのクラウドプラットフォームであるAmazon Web Services(AWS)に40億ドルを支払うことにも合意しています。アルファベットもまた、アンソロピックに20億ドル以上を投資し、同時に3億ドル以上をGoogle Cloudの利用に充てることを発表しています。

投資の背景とは?

これらの取引は、AIスタートアップにとっては必要な資金とコンピューティングパワーを提供し、大手テック企業にとっては投資金が売上として返ってくるという形で、双方にとって有益です。マイクロソフトも13億ドルをOpenAIに投資し、その対価としてOpenAIはマイクロソフトのクラウドを利用しています。

ベンチャーキャピタルの立場

これらの動きは、ベンチャーキャピタルが若い企業に投資する際の立場を弱めています。ベンチャーキャピタルは通常、数十億ドル規模の投資を行うことは稀で、高額な評価額を支払うことにも消極的です。

今後の展望

現在、大手AIスタートアップのほとんどは赤字ですが、その企業価値は急上昇しています。例えば、OpenAIは最近、企業価値が800億ドル以上になる従業員株の売却プロセスを開始しました。これは、今年初めに比べて2倍以上の価値です。このような評価額での買い付けは、大きなリターンを狙うベンチャーキャピタルにとっては問題ですが、スタートアップのエコシステムをサポートしようとするテック企業にとってはそれほどの問題ではありません。

まとめ

テック大手の投資とクラウドサービスの利用は、互いに利益をもたらす形となっています。これにより、AI技術の進展と共に、これらの企業の関係も深まりつつあります。これは、AI産業における新たなビジネスモデルの形成を示している可能性があります。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN アルファベット GOOGL マイクロソフト MSFT

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