第4四半期決算から見えるマイクロンの軌跡と未来

メモリメーカーのマイクロン・テクノロジー(MU)は9月27日、8月31日に終了した第4四半期の決算を発表しました。 

第4四半期決算の概要

第4四半期の売上高は、前年同期比40%減の40.1億ドル、調整後損失は1株当たり1.07ドル、一般に公正妥当と認められた会計原則に基づく損失は1株当たり1.31ドルでした。これは売上高は39億ドル、調整後損失は1株当たり1.15ドル、GAAP基準の損失は1株当たり1.33ドルという同社の事前の見込みを若干上回るものでした。

11月期については、2億ドルの増減はあるにせよ、売上高は44億ドルになると見ており、これはウォール街のコンセンサス予想42億ドルを上回るものです。非GAAPベースの損失は1株当たり1.07ドルとなり、コンセンサス予想の1.04ドルより数セント、損失が拡大します。

2023年のDRAMビット需要は1桁台半ばで成長するとマイクロンは見ています。また、NANDについては、一部の消費者向け最終市場の好調を反映し、従来予想の1桁台後半から10桁台後半に成長すると見ています。

経営者は今後の展開に自信

マイクロンのスミット・サダナ最高事業責任者(CBO)氏は今後について自信を示し、投資情報誌バロンズのインタビューで以下のように述べています。

我々は重要な変曲点に達し、価格は底を打った。ここから上昇に転じ、2024年に向けて勢いを増すと見ている。

また、サンジェイ・メヘロトラ最高経営責任者(CEO)は決算プレスリリースの中で以下のように述べています。

2023年の業績は、2024年に需要の増加と統制の取れた供給によって市場が回復していく中で、当社にとって良い位置づけとなる。AIがデータセンターからエッジへと普及する2025年には、業界のTAM(Total Addressable Market)収入が記録的なものになることを期待している。

AIとメモリ需要の増加

AIサーバーの需要が増加している一方で、従来型サーバーの需要は乏しく、マイクロンはこれに対応する戦略を展開しています。AIサーバーはDRAMとNANDチップの使用量が多く、高い収益性を持つ市場として注目されています。マイクロンは、この市場の拡大とAIに特化したPCやスマートフォンの登場を背景に、DRAMやNANDの需要増を予測しています。

未来展望と投資家へのメッセージ

マイクロンは、業界の厳しい状況を乗り越え、AIの波に乗って成功を収めるポジショニングを構築しています。サダナ氏は、2024年には、AIアプリケーションで使用されるHBM(高帯域幅メモリー)の容量追加を牽引力として、設備投資が増加するとの見通しを示しています。

まとめ

マイクロン・テクノロジーは、業績の厳しい状況にあるものの、AIの進展とそれに伴うメモリ需要の増加を見据え、未来への明るい展望を描いています。

株価は今年に入り37%近く上昇していましたが、決算発表後の時間外取引では3.6%下落しています。

*過去記事「AI主導の半導体市場における投資の切り札: マイクロン・テクノロジー株の可能性

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