AT&T(T)の株価は過去10年、あるいはそれ以上の間、全体的な市場が上昇したのに対して大きく遅れをとってきました。過去10年間のトータル・リターンはS&P500が228%だったのに対し、同社は14%強に過ぎません。しかし、現在の株価を見ると、AT&Tは見過ごすには惜しい掘り出し物のように見えます。
AT&T株の基本情報:
- 8月4日現在の価格: $14.09
- 市場時価総額: $100B
- 52週の価格範囲: $13.43 〜 $21.53
- 配当利回り: 7.74%
AT&Tの第2四半期の売上高は前年同期比で1%未満の増加でした。しかし、注目すべきはキャッシュフローの数字です。フリーキャッシュフローは42億ドル、営業キャッシュフローは99億ドルで、それぞれ前年同期比200%、29%増加しました。
AT&Tの経営陣は、今年中に160億ドルのフリーキャッシュフローを生み出すという目標を公言しており(第2四半期までに52億ドルを創出)、年の後半、特に第4四半期において通常、増加が見込まれることを考えると、その目標に向けて正しい方向に進んでいるように見えます。
なぜAT&Tのフリーキャッシュフローが注目されるのかと言うと、それはAT&Tの巨額の負債と、その魅力的な配当の安全性、この二つの要点に関わっているからです。
メディアとエンターテインメント分野への大胆な投資により、AT&Tは多額の負債を抱えましたが、それを削減するための積極的な取り組みを行ってきました。
現在のところ、長期債務は1,370億ドルにのぼりますが、予測される160億ドルのフリーキャッシュフローは、今年の配当の実行と債務の削減をカバーするのに十分です。AT&Tは、約40億ドルの債務削減を計画しているとのことです。
7.74%のAT&Tの配当利回りは、市場で非常に魅力的なものの一つです。そして、この配当が、長期的な投資家にとっては、投資を考える上での最も大きなセーフティネットになっています。
AT&Tの将来株価収益率は5.9で、同業であるベライゾンの7.2やTモバイルの17.7を大きく下回ってます。電気通信のような社会に不可欠な業界で事業を展開する巨大企業としては、お買い得であると言えるレベルに株価は下落しています。