2023年7月24日に実施されたナスダック100指数の「特別リバランス」は、指数パフォーマンスやその構成銘柄への明確な影響をほとんど示していないようです。マイクロソフト、アップル、アルファベット、エヌビディア、アマゾン・ドット・コム、テスラといったハイテク株が指数全体の時価総額の半分以上を占めるという現象に対する調整として、このリバランスが行われました。
*「ナスダック100の特別リバランス: ハイテク企業が市場に及ぼす影響とは?」
ナスダック100の特別リバランスとその歴史
数千億ドルがナスダック100をベンチマークとするインデックス・ファンドに投資されているため、このリバランスが上記6銘柄にマイナス影響を及ぼすと予想されました。しかし、歴史を見る限り、そうした懸念は必ずしも現実化していません。
過去にナスダック100が行った2回の特別リバランスを振り返りましょう。1回目は1998年12月、2回目は2011年です。それぞれの時点で特に注目されたのがマイクロソフトとアップルでしたが、これらの銘柄はリバランス後の1年間で70%以上株価が上昇しました。
リバランスと指数パフォーマンスの関係
さらに、過去のデータからもわかるように、特別リバランスがナスダック100指数そのものに大きな影響を与えた形跡はありません。1998年と2011年のリバランス後の12ヶ月間のリターンは、その前の12ヶ月間のリターンと大きな違いはありませんでした。
しかし、この結果を根拠に特別リバランスが全く影響を与えないとは言えません。わずか2回のリバランスから断定的な結論を導くのは難しく、インデックスの過度な集中がリスクを高める可能性は理論的に存在します。
イコールウェイト型ETFのパフォーマンス
過度の集中についての懸念が過大評価されていることを示すもう一つの指標は、S&P 500のイコールウェイト型のパフォーマンスです。もしキャップウェイト型のインデックスがトップヘビーになっているなら、そのパフォーマンスとイコールウェイト型のパフォーマンスとの間に顕著な乖離が見られるはずです。しかし、そのようなギャップはまだ出現していません。
インベスコS&P500イコールウェイトETF(RSP)の過去20年間のパフォーマンスを見ると、SPYに代表されるキャップウェイト型が優位だったのが9回に対し、イコールウェイト型が優位だったのが11回と、両者のパフォーマンスは非常に似ており、市場の過度な集中への懸念が誇張されすぎている可能性があります。
まとめ
以上のことを踏まえると、市場全体や個々のハイテク株の見通しを評価する際、ナスダック100の特別リバランスは一考の余地がある要素ではありますが、最も重要な要素ではないことがわかります。投資家は、リバランスの直接的な影響を過度に懸念するよりも、それぞれの銘柄の基本的なビジネスパフォーマンスや、全体的な市場環境に着目するべきかもしれません。