インテル(INTC)の株価は、第2四半期決算が予想を上回ったことを受けて上昇しました。しかしながら、インテルの先行きには根本的なリスクが存在します。それは、AI(人工知能)のトレンドとそれが技術支出に与える影響です。
短期的な圧力と長期的な機会
一部のアナリストは、AI関連チップの需要が増える一方で、インテルの従来のプロセッサに対する需要が減る可能性を懸念しています。これにより、短期的にはインテルが直面する圧力が増すかもしれません。
しかし、インテルCEOのパトリック・ゲルシンガー氏は、長期的にはインテルがAIから利益を得る立場にあると主張しています。AIがより高速に機能するようにするためのチップ、いわゆるAIアクセラレータの需要が増えるからです。
AI半導体市場のバトル
BofAグローバル・リサーチのアナリスト、ビベック・アリヤ氏は、AIに適したグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)により、エヌビディア(NVDA)がAI半導体市場を支配していると指摘しています。これに対して、インテルはAIによるレガシーCPUベースのコンピューティングのカニバリゼーションに直面しています。
一過性の上昇?
インテルの第2四半期の売上高は予想を上回りましたが、これは主にクライアント・プロセッサー事業によるものでした。この部門の売上高が予想以上に上昇した背後には、クライアント・プロセッサー部門が高水準の在庫を消化する過程で生じた予想外の一時的な効果がありました。
低迷が続くデータセンター部門
一方、インテルのデータセンター部門は依然として低迷しています。データセンター事業は、企業やクラウド・コンピューティング企業向けに高価格のサーバー・プロセッサーを販売するため、ウォール街から注目を浴びています。しかし、この部門の見通しはクライアント・プロセッサー事業ほど良好ではありません。
AI需要の増加:TSMCの示唆
台湾セミコンダクタ・マニュファクチャリング(TSM)のマーク・リュー会長は、AI関連の需要が従来のサーバー用チップから売上を奪っていると発言しています。さらに、最新の調査では、顧客はAIプロジェクトを熱烈に優先していることがわかっています。
大きなシフトは1四半期で終わらない
テクノロジーにおける大きなシフトは1四半期で終わることはめったにありません。AIの台頭により、インテルは短期的には圧力を感じるかもしれません。しかし、長期的にはこの新たなトレンドから利益を得る可能性もあります。結局のところ、変化はリスクであると同時に、新たなチャンスを生むものでもあります。