IBMが次世代AI関連株として注目を集める!ワトソンXのポテンシャル

  • 2023年7月21日
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IBMは近年、エンタープライズ・コンピューティングの巨人として、堅実なパフォーマンスを維持してきました。第2四半期の決算も予想を上回る結果を発表し、業界はその成果に感銘を受けています。この記事では、IBMの新たなAIソフトウェア・プラットフォーム「ワトソンX」のポテンシャルについて詳しく解説します。

ワトソンX – IBMが誇る最も有望なソフトウェア製品

CEOのアルビンド・クリシュナ氏は7月19日の決算説明会で、企業向けAIモデルとアプリケーションを構築するためのIBMの新プラットフォーム、ワトソンXについて詳細に語りました。その中でも特に注目すべきは、Watson Xが提供開始からわずか10日間で、サムスン、シティ、NASAなど150社以上のクライアントに導入されたという事実です。

IBMにはChatGPTのような汎用チャットボットを提供する計画はありません。その代わりに同社は、データのプライバシー、完全性、ガバナンスを含む、企業のAI要件を満たすことに注力しています。

モフェットナサンソンのアナリストであるリサ・エリス氏は、「ワトソン XはIBMがここ数年で発表した中で最も有望な、有機的に開発された新しいソフトウェア製品だ」と述べています。これは、レッドハットのハイブリッド・クラウド・プラットフォームを超える「IBMの新たな大ヒット商品」になり得ると考えられています。

ワトソンXの特徴

ワトソンXの強みは3つに分けられます。まず、Watson.aiは新しいモデルの作成をサポートし、Watson.dataはデータストアとして機能します。そしてWatson.governanceは、AIモデルが正確で、偽情報や攻撃的な情報による混乱を防ぐためにAIモデルの監視を行います。

エリス氏によれば、このような生成AIモデルは、「人事の強化、予測的ITメンテナンスの実行、財務予測の支援、不正検出の実行、コンプライアンス監視、リスク管理、サプライチェーンの最適化など」といった無限のユースケースを提供します。

同氏は、生成AIが「創薬のような業界特有のユースケースから、ソフトウェアのコーディングやコールセンター業務のような機能的なユースケースまで、幅広いビジネスプロセスを変革する」可能性があると見ています。

IBMが人工知能でパイオニア的存在である理由

IBMは四半世紀以上前の1997年、チェス用スーパーコンピューター「DeepBlue」が世界チャンピオンのガルリ・カスパロフを破ったことで名を馳せました。その後もIBMは、人工知能の進化に対する最前線での取り組みを続けてきました。

その中でも、ワトソンXの出現は大規模言語モデルにおけるAIの進化の大きなステップとなります。クリシュナ氏によれば、「80%以上の企業がその利用を模索している」という事実が、この新プラットフォームの重要性を示しています。

IBMのAI関連株としての可能性

IBMの7月20日の終値は2.14%高の138.38ドルでしたが、それでも年初来では2%下落しています。他のテック株と比べてそのパフォーマンスは大きく見劣りしますが、その背後には大きな潜在的価値が隠されています。ワトソンXの出現により、IBMのAI関連株としての地位が高まることは間違いないと思われます。

*過去記事「AI市場の見落とされたプレイヤー:高配当も魅力のIBMの投資価値を探る

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