エヌビディアとマイクロソフトが支援するAIスタートアップ、インフレクションAIとは?

2023年、AI業界で大きな注目を集める存在があります。それが新興企業、インフレクションAIです。

テクノロジー界の巨頭たちが注目するAIスタートアップ

インフレクションAIは、AIの新しい可能性を見据えたデジタル・アシスタントの開発を行っている企業です。リード・ホフマン(LinkedInの共同創業者)、ムスタファ・スレイマン(DeepMindの共同創業者)、カレン・シモニャン(DeepMindのコンピューター科学者・AI研究者)により設立され、その名はAIが変曲点にあると思われることにちなんで命名されました。

この企業は、その創業者たちの持つ高い評価とともに、多くの有名人や大手企業からの資金調達に成功しました。マイクロソフト(MSFT)とその共同創業者ビル・ゲイツ、エヌビディア(NVDA)、元Google CEOのエリック・シュミットなど、テクノロジー界の巨人たちからの支援を受けています。

最近では、13億ドルの調達に成功し、会社の評価額は約40億ドルに達しました。これは2023年におけるAIスタートアップの中でオープンAIに次ぐ2番目に大きな資金調達となります。

Pi: パーソナル・インテリジェンスを備えたAIチャットボット

インフレクションAIは、「パーソナル・インテリジェンス」の略称でPiと呼ばれる新しいタイプの会話型AIチャットボットを開発しました。Piは、オープンAIのChatGPTのように単に情報を検索することに重点を置くのではなく、インフレクションのウェブサイトによれば、「パーソナルAIであり、あなたをサポートし、賢く、いつでもあなたのそばにいるように設計されています」。

Piは、ChatGPTの得意分野であるオリジナルコンテンツの作成やコーディングよりも、会話やインタラクションを主な目的としており、「Piは先生であり、コーチであり、親友であり、創造的なパートナーであり、相談相手である」とインフレクションAIはプレスリリースで述べています。

インフレクションAIは、エヌビディアおよびクラウド・プロバイダーのCoreWeaveと提携し、AIワークロードを高速化する業界標準であるエヌビディアのグラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)の計算能力を活用しています。共同研究者は、「22,000個のエヌビディア H100 Tensor Core GPUで構成される世界最大のAIクラスターを構築している」とその能力を説明しています。

H100はエヌビディアの主力ゴールド・スタンダード・データセンターAIプロセッサーで、AIモデルのトレーニングで9倍、推論(AIシステムを一度トレーニングした後に使用するプロセス)で30倍高速となる能力を誇ります。

また、CEO兼投資家のムスタファ・スレイマン氏によれば、エヌビディアとマイクロソフトはインフレクションAIのメンターも務めており、同社の進歩を「ターボチャージ」している存在だということです。

インフレクションAIへの投資方法

現在インフレクションAIは、大企業や裕福な投資家からの資金提供しか受け付けていません。エヌビディアやマイクロソフトに投資するという間接的な方法でしか、一般投資家には投資する方法がないのが現状です。

AI業界の変曲点と言われる2023年において、テクノロジー界の巨頭たちが注目するスタートアップ、インフレクションAI。そのAIチャットボットPiとエヌビディアやマイクロソフトとの提携は、AI業界の新たな可能性を示しています。これからの動向に注目です。

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