貿易戦争の影響:中国でエヌビディアAIチップが2倍の価格で取引

ロイターが報じたところでは、米国の厳しい輸出制限の影響下、中国市場でのエヌビディアAIチップの取引が特異な動きを見せているそうです。とりわけ深圳市の華強北電子地区では、制裁にも関わらず依然としてエヌビディアの高性能チップを求める人々が集まっているそうで、A100人工知能チップが通常価格の2倍、一個あたり20,000ドルという高値で取引されているそうです。

中国国内ではエヌビディア製の高性能チップの購入や販売が違法ではありませんが、米国の輸出規制により、米中両国の当局から監視の目を向けられたくない業者が事実上の地下市場を形成しているそうです。

この背景にはバイデン政権の政策が関わっています。政治的・貿易的緊張が高まる中、バイデン政権はエヌビディアの最も先進的なチップ、A100と新型のH100の中国向け輸出を停止するよう命じたのです。

しかし、AIブームが全世界を席巻し、特にOpenAIのChatGPTが大成功を収めると、高性能チップへの需要は急速に高まりました。機械学習タスクの処理に最適とされるエヌビディアのマイクロプロセッサは、アプリ開発者、スタートアップ、研究者、ゲーマーなどの間でその需要が急増しています。

その一方で、エヌビディアはA100やH100の中国向け輸出を許可せず、代わりに機能を低下させた代替品を提供しています。もし中国の企業がこれら代替製品を購入しない場合、エヌビディアは第3四半期の売上げで4億ドルの損失が出ると予測しています。

ロイターが報じた地元ベンダーの弁によれば、チップを調達する主な方法は、エヌビディアが米国の大企業に大量に出荷した後の余剰在庫を取り扱うか、インド、台湾、シンガポールの企業を通じて輸入するというものです。例えばOpenAIのGPTのようなモデルを作るには30,000枚以上のエヌビディア A100カードが必要ですが、それが一握りのカードであっても複雑な機械学習タスクを実行し、既存のAIモデルを強化することが可能だということです。

しかし、これらの高騰する市場ではチップが偽装されて売られる詐欺が増えてきていると、ベンダーが警告しているとロイターは報じています。特に今年3月から市場に出ている新型チップH100は、その入手困難さから詐欺のターゲットにされやすいとのことです。

米国の輸出制限とAIブームが重なり、エヌビディアAIチップの中国市場での取引に影響を与えています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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