AI業界の巨人、エヌビディア:株価はまだ上昇の余地があるのか?

AIブームがテクノロジーマーケットを支配する中、エヌビディア(NVDA)のような半導体大手企業がその恩恵を最も受けています。2023年に入ってからエヌビディアの株価は、一部の業界関係者を驚かせる180%の驚異的な上昇を遂げています。

エヌビディアの株価は割高か?

エヌビディアの株価は確かに割高に見えます。なんといっても、株価は実績利益の213倍、売上の39倍で取引されています。しかしながら、この割高な評価は同社の急速な成長と将来的な利益予想に基づいています。事実、エヌビディアの将来利益倍率は52倍で、これは同社の5年間の平均将来利益倍率41倍よりわずかに高いだけです。

AIブームとエヌビディアの将来

エヌビディアの強さはAIブームの影響を大いに受けています。これは、2024年度第1四半期決算を発表した際に明らかになりました。現在進行中の四半期の売上高予測は前年同期比64%増の110億ドルと、業界関係者を驚かせています。

AIとデータセンター事業

エヌビディアのデータセンター事業が成長の原動力になっています。その理由は、生成AIの採用から強い恩恵を受けているからです。企業は増大するAI需要に対応するために、エヌビディアのグラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)を熱心に採用しています。これは、エヌビディアのAI対応GPUの価格の急上昇につながり、中国では40%ものプレミアムがついていると報告されています。

エヌビディアとAIチップの市場

エヌビディアはAIチップ市場で圧倒的な地位を占めています。ニュー・ストリート・リサーチは、エヌビディアがデータセンターで機械学習用に展開できるGPUの市場の95%を支配していると推定、HSBCは、エヌビディアが生成AIアプリケーションに使用されるプロセッサの90%のシェアを享受していると推定しています。これは、AIの需要がさらに高まる中で、長期的にエヌビディアが大きな勝利を得ることができることを示しています。

エヌビディアの将来予想と投資の価値

ウォール街のアナリストはエヌビディアが次の5年間において引き続き成長すると予想しています。バンク・オブ・アメリカのグローバルリサーチアナリスト、ビベック・アリヤ氏は、生成AIサービスの採用により、エヌビディアは2027年まで年間25%のペースで売上を伸ばすことができると予測しています。

エヌビディアは2024年度(2024年1月決算)を400億ドル近い売上高で終える見込みです。2027年末まで年率25%の売上増を記録すると仮定すると、予測期間終了時に同社のトップラインは1000億ドル近くにまで跳ね上がる可能性があります。

このことは、2023年度は270億ドルであったエヌビディアの売上高が5年間で4倍近くになることを示唆しています。過去5年間のエヌビディアの平均売上倍率は18倍です。これはかなり高い倍率ですが、AIの市場が広がり続けることを考慮に入れると、エヌビディアが今後5年間で同じくらいの倍率を維持するのは決して驚くべきことではないでしょう。

この倍率を維持し、売上高が1000億ドルになれば、時価総額は1.8兆ドルになります。これは、エヌビディアの現在の時価総額より80%高いもので、同社の株価にまだ上昇の余地があることを示しています。

まとめ

エヌビディアの現在の価値は確かに高額ですが、これはその将来の成長可能性とAI業界における圧倒的な立場が反映されたものです。AIセクターへの投資を考慮している投資家にとって、エヌビディアはその株価が大幅に上昇している現状でもなお、選択肢として考慮の対象となる銘柄となっています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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