エネルギー産業のエヌビディア、ネット・パワーが描くクリーンエネルギーの未来

クリーンエネルギーの未来において二酸化炭素の回収は重要な要素になることは間違いありません。その道を切り開く先駆けとなるのが、現在注目を浴びている企業「ネット・パワー」です。今回の記事では、ネット・パワーとその株の将来性について、具体的な取り組みやビジョンを詳しくご紹介します。

ネット・パワーの取り組みとは

ネット・パワー(NPWR)は、クリーンエネルギー業界の注目株として登場した企業です。二酸化炭素を効率的に回収し、天然ガス発電所を開発することにより、よりクリーンなエネルギー生産を目指しています。

ネット・パワーの発電方法は、天然ガスを純粋な酸素の中で燃やすというもので、これによりCO2と水だけが排出されます。さらに、高圧で液化したCO2がタービンを回して電気を作り出し、その後のCO2は再利用または地中に埋め戻されます。この新しい技術は、現在の発電所が放出する汚染物質を大幅に削減することを可能にします。

世界が注目するネット・パワーの株

2023年6月、ネット・パワーはSPAC(特別目的買収会社)ライス・アクイジションIIと合併し、株式公開を果たしました。株式公開の直後、株価は一週間で10.34ドルから14.61ドルに上昇し、独立企業として好調なスタートを切りました。

この成功は、無借金経営でSPAC取引で調達した6億7500万ドル以上の資金があることが背景にあります。また、ネット・パワーの取り組みは確固たるビジョンに支えられており、エネルギー法案の炭素クレジット制度もその運営コストを低減する強力な味方となっています。

将来性とリスク

しかし、ネット・パワーはまだ実証段階にあります。2026年にテキサス州オデッサで初めての実用規模プラントの完成が予定されていますが、その技術が大規模なものに適用できるか、また建設コストが現行のガス発電所よりも高いことが課題となっています。

最初の数基のプラントを建設するためにもっと資金が必要かもしれませんが、その技術をライセンス供与してロイヤリティ収入を得るというのが同社のモデルです。また、2022年のエネルギー法案に炭素クレジットが含まれるため、運営コストは低く抑えられると予想されます。

合併相手や投資家の質の高さから、この新技術が成功する可能性は高いと言えます。同社は、2030年までに年間30基の発電所のライセンスを取得し、5年後には年間10億ドル以上の利益(Ebitda)を生み出すという明確な目標を掲げています。

エネルギーの「NVDA」

サンケイリサーチのポール・サンケイ氏は、ネット・パワーをチップメーカーのエヌビディア(NVDA)にちなんでエネルギーの「NVDA」と呼んでいます。

その理由は、天然ガスを使って信頼性が高く、安価でクリーンな電力を供給するネット・パワーが、米国の電力網全体で増大する課題に対する最適な解決策を提供できるからです。

同氏は2030年の目標株価を100ドルに設定しました。これは14.61ドルだった6月9日の終値から7倍近く上昇することを予想していること意味します。

クリーンエネルギーの未来を担う

ネット・パワーは、信頼性とコスト効率、そしてクリーンなエネルギー供給という”3拍子揃った”企業として、クリーンエネルギーの未来を切り開く存在になると期待されています。その取り組みは、米国の電力網全体で増大する課題に対するオーダーメイドのソリューションを提供するとともに、エネルギー業界に新たな風を吹き込むものとなりそうです。

リスクの高い賭けではありますが、その可能性と成果は無視できません。ネット・パワーの取り組みがクリーンエネルギーの未来をどのように変えるのか、ネット・パワーの動向から目が離せません。

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