税務・会計などの財務ソフトを提供するインテュイット(INTU)が、生成人工知能(AI)ソフトウェアへの大規模な取り組みを発表しました。TurboTax、Credit Karma、QuickBooks、Mailchimpなどの製品群を展開する同社がどのようにAIを活用してゲームチェンジャーになる可能性があるのかを詳しく見ていきましょう。
インテュイットのAI戦略: データの力
インテュイットのCEO、ササン・グダルジ氏は、この新たな取り組みが、ゲームチェンジャーになり得ると考えており、4年以上前に打ち立てた同社のミッション、「顧客のポケットに入る財務アシスタントとなり、顧客の意思決定を助け、顧客のポケットに多くのお金を入れ、顧客の成功を助ける」ことを達成するものだと考えています。
既に一部のアプリケーションでAIを活用し、顧客のデータを整理しやすくしているインテュイットですが、それは生成AI機能の追加を通じて製品全体をさらに使いやすくしようとする今回の取り組みの前の話です。
AIと市場シェア
グダルジ氏は、AIは同社にとって大きな促進剤になると言います。同氏は、同社が現在、約3,000億ドルの市場全体の5%を占めており、AIの助けがあれば、インテュイットは最終的に市場の20%、つまり現在の4倍の規模に達することができると考えています。
生成AI:GenOSの概要
具体的なユースケースをまだ発表していないインテュイットですが、グダルジ氏が紹介した同社独自の生成AIオペレーティングシステム、GenOSを中心に見てみましょう。GenOSによって、インテュイットは税金、会計、マーケティング、現金、個人金融のタスクをターゲットとした大規模な言語モデルを構築できると言います。
GenOSの4つのパート
GenOSにはGenStudio、GenUX、GenRuntime、および大規模言語モデルの4つのパートがあります。それぞれが生成AI体験を実験し、改良するのを支援する役割を果たしています。
・GenStudioは、インテュイットの開発者が生成的なAI体験を実験し、改良するのを支援します。
・GenUXは、ユーザーインターフェイスコンポーネントのライブラリです。
・GenRuntimeは、リアルタイムで適切な大規模言語モデルを選択し、ユーザーが正確な応答を得られるように設計された「インテリジェント層」です。
・大規模言語モデルは、「実用的な洞察を提供し、人間の専門家に連絡するようなアクションを呼び出すことができる」ものです。
インテュイットと生成AIの未来
生成AIへの投資と大規模言語モデルの作成を開始したインテュイットは、この新しいアプローチが顧客対応のイノベーションに火をつける技術プラットフォームとして実を結ぶと考えています。
今後数ヶ月のうちに、新しい顧客対応体験の詳細を発表する予定であり、その中には、同社のアプリケーションに対する自然言語による問い合わせや、顧客の財務状況に関して取るべき行動を具体的に提案するソフトウェアからのアラートも含まれているそうです。
結論
インテュイットはそのAI戦略により、新たな顧客体験の提供を目指しています。AI技術の進歩により、同社の製品はさらに使いやすくなり、より多くの顧客に価値を提供することができるようになります。