今年に入ってからアップル（AAPL）の株価は44％も上昇し、堅調な業績とiPhoneの販売台数増加がその主な要因となっています。
急騰の背景
アップル株は現在、180ドルで取引されており、これは2022年1月以来の高値です。史上最高値の182.01ドル更新はすぐそこまで迫っています。その主な理由は、iPhoneの販売台数が予想を上回ったこと、そしてその堅調な業績です。
WWDCと次期製品発表の期待
アップルの年次ワールドワイド開発者会議（WWDC）は、6月5日に始まります。この会議では、次期製品の発表が行われることが一般的で、投資家は新製品の発表や最新のビジネス情報を熱望しています。
ウェドブッシュ證券のアナリストであるダン・アイブス氏は、投資家はアップルの人工知能（AI）に関する戦略に特に関心があると述べています。AIに関する具体的な情報が出れば、アップル株価はさらに上昇する可能性があります。
AI戦略と株価への影響
大手テック企業、特にマイクロソフト（MSFT）やアルファベット（GOOGL）は、AI製品の開発競争を繰り広げています。AIの可能性を示すChatGPTの人気は、AIが企業にもたらす利益を象徴しています。アップルもその一角であり、AI戦略についての具体的な発表があれば、株価に大きな影響を与えると思われます。
新製品とiPhoneアップデートの影響
一方、アップルの新製品、特に発表が予想されている3,000ドル程度の複合現実ゴーグルへの反応は、株価に大きな影響を与えます。また、iOS 17のアップデートや新型iPhone 15の情報など、iPhoneのアップデートも重要なカタリストとなります。新機能を持つ新しいiPhoneは、アップグレードに動く数百万人のユーザーを引きつけ、収益と株価を押し上げる可能性があります。
リスク要素
しかしながら、目先のリスクも無視できません。一つは、インフレと高金利による消費者の購買力低下です。これはアップルの売上げに影響を与える可能性があります。さらに、Covid-19の再流行による中国の封鎖再開の懸念もあります。サプライチェーンの問題や中国での需要低下は、アップルの株価に大きな打撃を与える可能性があります。
今後の見通し
アップル株は現在、将来の利益の約28倍で取引されており、過去の平均の22.5倍を上回っています。一部の投資家にとっては高すぎるかもしれませんが、リスクを理解した上で投資すれば、アップルという世界で最も価値のある上場企業の株価高騰の一部を享受することも可能です。
いずれにせよ、アップル株の動向はこれからも注目です。WWDCや新製品発表、そしてそのリスク要素を踏まえた上で、慎重に投資判断を行うことが求められます。
＊過去記事はこちら アップル AAPL