AIソフトウェア銘柄としてのテスラへの期待

キャシー・ウッド氏が率いるARKインベストメントは、AIソフトウェアの売上が毎年42%ずつ増加し、2030年には14兆ドルに達すると考えています。

この市場でキープレイヤーのひとつになると目されているのがテスラ(TSLA)です。同社は昨年、バッテリー電気自動車の販売台数で18%の市場シェアを獲得し、次点のBYDを6ポイント近く引き離して首位に立っています。

2022年の決算はすばらしいもので、売上高は前年比51%増の815億ドル、フリーキャッシュフロー(FCF)は同51%増の76億ドルでした。また、営業利益率は16.8%と業界最高水準の数字を達成しています。

同社は、今後、生産台数が増加しても、営業利益率を維持できると見込んでおり、その理由のひとつとしてAIソフトウェアからの利益をあげています。同社は世界有数のAI企業でり、CEOのイーロン・マスク氏は、「最も効率的な推論コンピュータ」と「最も高度なアクティブセーフティ」システムを搭載した完全自動運転(FSD)プラットフォームを有していると述べています。

テスラは昨年、北米でFSDのベータ版ソフトウェアを一般公開し、その製品の粗利率は実質100%となっています。ARKインベストメントによると、自律走行型ライドヘイリング・プラットフォームは2030年までに9兆ドルの売上を生み出す可能性があり、テスラはその業界を支配する最有力候補とみなされています。

そう見なされている理由は、テスラはオートパイロットに対応した車をどこよりも多く走らせており、同業他社よりもはるかに多くの自律走行データを保有しているからで、データこそがAIの基盤となるからです。

同社は2024年にロボットタクシーを量産することでその優位性を生かす計画であり、経営陣はFSD技術が最終的に同社の最も重要な収益源になると考えています。

現在、株価は売上高の8.3倍で取引されており、自動車メーカーとしてはとんでもなく高いバリュエーションとなっていますが、AIソフトウェアで交通・モビリティ業界を破壊しうるビジネスを持つ会社としては妥当な評価であるとも考えられます。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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