セキュリティ・ソフトウェアの見通しは明るいとゴールドマンが評価

ゴールドマン・サックスのアナリスト、ガブリエラ・ボルゲス氏は2月14日、90ページに及ぶ調査レポートを発表し、目先のマクロ的な逆風にもかかわらず、セキュリティ・ソフトウェアの見通しは強いと断言しています。

長期的な投資家にとって魅力的な業界であるとする同氏は、この業界が多品種構成に移行しており、歴史的に製品サイクルの好不調の波が大きかった傾向が弱まっていると見ています。SaaS(Software-as-a-Service)への移行により、業界の循環性が緩和されていることを同氏はその要因にあげています。

エッジやクラウドセキュリティ製品などでこの業界の成長は続くと考えられ、また、機械学習アプリケーションの採用が進むことで、この業界は恩恵を受けると同氏は見ています。

ただ、マクロ経済要因による圧力を反映して、2022年よりも今年の方が需要環境が穏やかになるため、短期的に停滞する局面があることも同氏は警告しています。

ボルゲス氏は9つの銘柄のカバレッジを開始しました。「買い」の格付けをしたのは、クラウドストライク(CRWD)、チェック・ポイント・ソフトウェア(CHKP)、フォーティネット (FTNT)、パロアルトネットワークス(PANW)の4社。

「ニュートラル」の格付けをアブポイント(APVT)、センチネルワン(S)、Zスケーラー(ZS)の3社につけ、クラウドフレア(NET)とオクタ(OKTA)の2社を「売り」と評価しています。

以下は各銘柄の簡単な評価です。

クラウドストライク(CRWD)

成長が緩やかになっていることを指摘しつつも、エンドポイントセキュリティの着実な成長とクラウドセキュリティソフトウェアの圧倒的な成長により、リスクリターンは良好だと評しています。
目標株価:141ドル

チェック・ポイント・ソフトウェア(CHKP)

ファイアウォール市場における同社のシェア低下は緩やかで、クラウドセキュリティ製品をインストールベースにクロスセルすることに成功していると評価しています。
目標株価:148ドル

フォーティネット (FTNT)

ネットワークとセキュリティの融合という同社の主張は、SASE(Secure Access Service Edge)と呼ばれるトレンドに現れており、企業の防御をネットワークのエッジにシフトさせているとアナリストは述べ、企業の防御力をネットワークのエッジにシフトさせていると評しています。
目標株価:73ドル

パロアルトネットワークス(PANW)

「複数の製品ベクトルにおいて技術的リーダーシップを発揮し、マルチプラットフォーム戦略を実行している点で、業界で最も進んでいる」と評し、今後5年間は年率20%の成長が続くと見ています。
目標株価:205ドル

アブポイント(APVT)

マイクロソフト、セールスフォース、グーグルが提供するクラウド型ワークスペースのデータ保護とガバナンスを提供する同社は、サブスクリプションモデルへの移行によるマージンメリットが見込まれる一方、デジタルトランスフォーメーションのトレンドが鈍化することによるリスクがあることも指摘。
目標株価:5.5ドル

センチネルワン(S)

市場シェア拡大がマクロの経済見通しの軟化で相殺され、株価はレンジで推移すると予想。
目標株価:17ドル

Zスケーラー(ZS)

セキュアなサービス・エッジ・アプリケーションのテクノロジー・リーダーであるが、競争が激化している。
目標株価:148ドル

クラウドフレア(NET)

このセクターで最も革新的な企業の1つであるが、ここから成長が鈍化すると考えられ、リスク/リターンがネガティブに偏っていると評価。
目標株価:51ドル

オクタ(OKTA)

アイデンティティ・アクセス管理分野で、特にマイクロソフトとの競争が激化しているため、市場シェア拡大が鈍化すると予想。
目標株価:70ドル

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