2023年の米国経済の見通しについては、「ハードランディング」シナリオと「ソフトランディング」シナリオの2つの予想がせめぎあっているのが現在の状況です。
そんななか、ゴールドマン・サックスがこの2つのそれぞれのシナリオに備えて買うべき銘柄をスクリーニングしました。前編の「ハードランディング」シナリオに続く後編、「ソフトランディング」シナリオに備えて買うべき6つの銘柄です。
ゴールドマン・サックスのアナリストは、このシナリオの恩恵を受けるセクターとして景気循環株を選び、ラッセル3000指数に含まれる景気循環株をスクリーニングの対象としました。スクリーニングの条件は、時価総額が50億ドル以上で、収益性が高く、資金調達コストが上昇している市場でも資金調達の必要がない可能性の高い企業となっています。また、過去の水準よりも割安で取引されていることも条件となっています。
その結果、選ばれたがの以下の銘柄です。
・モホーク・インダストリーズ(MHK)
・オーチス・ワールドワイド(OTIS)
・パーカー・ハネフィン(PH)
・マスコ(MS)
・バルカン・マテリアルズ(VMC)
・イーグル・マテリアルズ(EXP)
モホーク・インダストリーズは米国と欧州で住宅や商業施設用の床材を製造している時価総額70億ドルあまりの会社です。株価は利益の約11倍で、これは、過去10年間の中央値である約15倍を下回っています。
オーチス・ワールドワイドはエレベーターとエスカレーターの製造・据付を行う時価総額340億ドル強の会社です。株価は利益の約24倍で、過去10年間の中央値である約25倍を下回っています。
パーカー・ハネフィンは米国のモーションコントロール製品の製造メーカーで、主要製品は各種製造、輸送、産業プロセス業界向けに空気圧・電気式アクチュエーター、真空発生装置、ガス・窒素発生装置などを販売しています。時価総額は400億ドル強。株価は利益の約16倍で取引されており、過去の平均とほぼ同じ水準です。
マスコは住宅リフォーム製品や建築製品を製造している時価総額110億ドルあまりの会社で、株価は利益の約14倍で取引されており、過去10年間の中央値である約17倍を下回っています。
バルカン・マテリアルズは、アスファルトなどの資材を建設業界向けに販売する時価総額240億ドル弱の会社で、株価は利益の約26倍で取引されており、過去10年間の中央値である約29倍を下回っています。
イーグル・マテリアルズは時価総額50億ドル強の米国の建設資材事業持株会社で、株価は利益の約12倍で取引されており、過去10年間の中央値である約16倍を下回っています。
*過去記事「「ハードランディング」シナリオに備えて買うべき7つの銘柄」