半導体セクターに対するポジティブなアナリストのコメントが出たことにより、1月17日、多くの半導体銘柄が上昇しました。エヌビディアの17日の終値は4.75%高の177.02ドル。TSMCは2.52%高の88.99ドルとなっています。
バンク・オブ・アメリカの半導体アナリスト、ビベック・アーリア氏は17日付けのメモで半導体セクターについて肯定的な見方を示しました。
過去1年間に金利が急上昇し、景気後退の懸念が迫り、家電製品の売上が歴史的な勢いで急落していることから、2023年に半導体の売上が大きく落ち込むと懸念する人が多くなっていますが、同氏は半導体分野の「ソフトランディング」の可能性を見ています。
家電以外の半導体市場の他の部分はむしろ好調で、特に人工知能アプリケーションや自動車用半導体は高い需要が続いていると同氏は見ており、「民生用半導体の在庫調整が上半期までに完了し、産業用/自動車用半導体の価格も底堅く推移するため、ソフトランディングを想定している」と述べています。
台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSM)は先週、第4四半期決算発表と電話会議を行い、その中で現在の在庫調整は2023年の前半まで続くが、その後、後半はかなり強くなると予測しました。特に通年で自社の売上が増加すると予想したことが注目されています。
「TSMC 過去最高の決算を発表も2023年上期は減収見込み」
また、アーリア氏はエヌビディア(NVDA)についても、画期的な生成AIアプリケーションが軌道に乗りつつある中で、Hopper GPUなどの新製品が市場に投入されることを踏まえ、肯定的な見方を示しました。
クラウドベースのAIアプリケーションの継続的な強さは、ほとんどのAIアプリケーションを動かすGPUのリーダーであるエヌビディアを助けるはずだと同氏は考えており、「AIチップの売上がエヌビディアの業績の下支えになるはずだが、これに2022年に大きく下落したゲームの回復があれば、エヌビディアは昨年の50.3%減から見事に立ち直るチャンスがある」と述べています。
半導体セクターは以前のような循環的な市場ではなく、成長循環的な市場に変貌しつつあり、長期的にはGDPよりも高い成長率で成長するはずだと見込まれています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA