クラウドベースのセキュリティソフトウェアを提供するZスケーラー(ZS)は12月1日に同社の第1四半期決算を発表しました。
売上高は、前年同期比37%増の3億4000万ドルでこれは、ファクトセット調べのアナリストのコンセンサス予想である3億3300万ドルを上回りましたが、成長率は、売上高に当四半期に計上した繰延売上高を加えた請求額が50%以上急増した過去3四半期よりも大幅に低いものでした。
Zスケーラーの最高財務責任者であるレモ・カネッサ氏は、「我々が見ているのは、基本的に販売サイクルの延長です」と述べ、企業が製品を購入するのに時間がかかっていることを示唆しています。
この時間がかかっていることを考慮して同社の販売予測は保守的なものになっているとカネッサ氏は述べています。同社が示した販売予測は、通年では、売上高は19億3000万ドル〜19億4000万ドルになると予想され、以前の予想である19億2000万ドル〜19億4000万ドルからはごくわずかに増加し、アナリストのコンセンサスの19億3000万ドルとほぼ同じ数字でした。
また、Zスケーラーは当四半期中に営業部隊を再編しており、この動きが当四半期の減速の一因となったと経営陣は述べています。
経営陣は、今回の人員整理は売上には響いたものの、顧客がより大規模な取引を行うようになってきたため、効率的に成長を管理するために実施したものだと述べています。年間経常売上が100万ドル以上の顧客基盤が前年同期比55%増になったと同社は発表しており、当四半期末現在で、これらの顧客は340社以上となっています。
この決算発表を受け、株価は12月2日の午前中の市場で8.69%安の131.94ドルで取引されていますが(米国東部時間10:56AM)、アナリストは肯定的な評価をしています。
米国みずほ証券のアナリスト、グレッグ・モスコウィッツ氏は、「(株価は)今日、多少の圧力を受けているが、同社は依然として成長に向けて非常に良い位置にあると信じている」と述べました。同氏は、「買い」の格付けを再度表明し、特に監視製品であるZscaler Digital Experienceの普及に伴う、増収を見込んでいます。
エバコアのアナリストであるPeter Levine氏は、「我々は、ZSがこの分野でトップ企業であると信じ続けている」と述べ、「アウトパフォーム」の格付けと200ドルの目標株価を維持しています。
同氏は、今後10年間で企業がクラウド・サイバーセキュリティに注力する度合いが高まると予測しており、「暗い経済状況の中、Zスケーラーの印象的な四半期には勇気づけられた」と述べています。
顧客が出費をためらうという課題に直面しているのは、Zスケーラーだけではありません。今週、同じくソフトウェア・セキュリティ企業のクラウドストライク(CRWD)は、経済が弱体化するにつれて、中小企業が購入を決定するのに時間がかかるようになっていると述べています。
カウエンのアナリスト、シャウル・エイヤル氏は、最新のレポートで、Zスケーラーの「アウトパフォーム」の格付けを維持しています。同氏は、マクロ的な逆風が吹いているにもかかわらず、Zスケーラーの一連の強力な製品による「強力な競争力」に注目しています。
*過去記事「四半期決算を発表したZスケーラーが急騰」