インテル 予想を上回る業績と大規模なコスト削減計画の発表で10%上昇も、アナリストは懐疑的

10月27日に第3四半期決算を発表したインテル(INTC)。第3四半期の業績が予想を上回ったこと、PCチップの売上が予想をやや上回ったこと、そして大規模なコスト削減計画を発表したことにより、28日のマーケットの午前で10%高で取引されています。

同社はこれまで9四半期連続で決算発表後株価が下落していましたが、今回はどうやらその記録をストップすることができそうです。

27日、インテルは通年の見通しを切り下げ、「マクロ経済の逆風が続く」として、1株当たり約1.95ドルの利益、630億ドル〜640億ドルの売上というガイダンスを示しました。アナリストのコンセンサス予想では、1株当たり2.20ドルの利益と653億ドルの売上高を予想していました。

同社はまた、2023年に30億ドルのコスト削減を推進する計画を発表しました。この数字は、2025年末までに、年間80億ドル〜100億ドルのコスト削減と効率化を実現するとしています。

インテルCEOのパット・ゲルシンガー氏は決算発表で、「経済状況の悪化にもかかわらず、当四半期は堅調な業績を達成し、製品とプロセスの実行が大きく前進した。積極的にコストに取り組み、事業全体で効率化を進めている」と述べています。

アナリストとの電話会議では、ゲルシンガー氏は「従業員数を最適化するための取り組み」についても言及しました。

また、インテルはIDM 2.0戦略の次のステージを立ち上げました。2021年3月に発表されたIntegrated Device Manufacturing 2.0は、同社の設計・製造プロセスを一新することを目的としており、「内部ファウンドリモデル」を中心に据えています。

CFOであるDavid Zinsner氏は、決算発表の中で「IDM 2.0の次の段階を迎えるにあたり、製造グループとビジネスユニットがより機敏になり、より良い決定を下し、リーダーとしてのコスト構造を確立できるよう、社内ファウンドリモデルの採用に注力している」と述べています。

「これは、設計と製造を切り離し、より良い透明性と構造効率を可能にする。INTCの設計チームは、ファブの顧客となり、外部顧客と対等な立場になる」とオッペンハイマーのアナリスト、リック・シェーファー氏は分析しています。

ウェドブッシュのアナリスト、マット・ブライソン氏は28日付けのメモで、インテルのコスト削減計画や効率性を高めるための製品事業からのファウンドリ事業の分離について、「経営陣は事業や投資に関してより現実的な見方をしているように見える」と述べています。

しかし、同社の前途には多くの課題があり、「我々は、(将来の移行に投資しながら)より慎重な支出アプローチは正しいアプローチであると信じているが、我々はまだINTCが過度に楽観的であるようにその将来の仮定を設定することを心配している」とブライソン氏は書いています。

同氏はインテルが2023年に同社がPCにおいて獲得可能な市場は2億7000万〜2億9000万ドルとの見通しについて懐疑的です。マクロ経済の逆風、アップル(AAPL)のMシリーズプロセッサがシェアを拡大していること、AMDとの厳しい競争、などを考えるとこの見通しは野心的過ぎると同氏は考えています。

「2023年の業績には多くの逆風が影響しそうで、業務改善はまだ将来の目標であることから、INTCには引き続きネガティブな見方を示している」と同氏は述べ、ウェドブッシュはインテルに「アンダーパフォーム」の格付けをしています。

オッペンハイマーはインテルを「パフォーム」と格付けしています。「我々は、INTCの広範な再建努力が証明されるまで、傍観を続ける。同社は、経営陣が生産能力拡大とプロセス・リーダーシップへの復帰を推進しているため、依然としてプルーフ・イット・モードである」とシェーファー氏は述べています。

ファクトセットの調べではインテルをカバーしている37人のアナリストのうち、7人が「オーバーウェイト」または「買い」、21人が「ホールド」、8人が「アンダーウェイト」または「売り」の評価をしています。

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