アナリストが再びダウングレードを発表したことによってテラドック・ヘルス(TDOC)の株価は8月17日の市場で大きく下落しました。終値は8.87%安の35.95ドルとなっています。
グッゲンハイムのアナリスト、サンディ・ドレイパー氏は17日、テラドックの格付けを「ニュートラル」から「売り」に引下げました。マクロ経済環境の悪化による企業の契約決定の遅れ、インフレ環境下での消費者の支出の減速、そして、あまり大きくはないもののドル高による逆風という3点を格下げの理由に挙げています。
このところアナリストによるテラドックのダウングレードが相次いでいます。今月初めにBerenberg Capital MarketsのDev Weerasuriya氏が「買い」から「ホールド」に引下げ、ほぼ同時期にカウエンのCharles Rhyee氏も「アウトパフォーム」から「マーケットパフォーム」に引下げました。
雇用者負担の医療保険市場がすでに高い普及率を示しているため、テラドックの基本事業の成長には限界がある、とドレイパー氏は見ています。同氏の推定によると、雇用者市場のおよそ半分がテラドックの保険に加入しているとのことです。経営陣は今年初め、2022年の会員総数の伸びを1%から5%と見積もっています。
テラドックは、BetterHelpを通じてオンラインメンタルヘルスも提供しており、BetterHelpが今年の売上高の約40%を占めるとドレイパー氏は推定していますが、消費者心理が弱くなっていると見ています。顧客獲得コストの上昇と潜在的な解約により、2023年の成長率は低下する可能性が高いと、同氏は予想しています。
評価を下げているアナリストが多くなっていますが、ファクトセットの調べではテラドックを担当している28人のうち、「売り」と評価しているのはドレイパー氏ただ1人です。5人が「買い」と評価し、22人は「ホールド」と評価しています。
先週、D.A. Davidson のアナリスト Robert Simmons氏が テラドックを「買い」とし、目標株価45ドルでカバレッジを開始しました。パンデミックの追い風が逆風に変わったものの、テラドックはテレヘルスのリーダーとしての地位を確立しており、今後もリードし続けることができると考えているようです。
アナリストではありませんが、ARKインベストファンドを率いるキャッシー・ウッド氏もテラドックの強気派として知られています。ARKインベストファンドにおける、テラドック株の比率は11.3%となっており、これは、同ファンドにおいて4番目に多い保有株です。
*過去記事はこちら テラドック TDOC