17年連続増配の配当と成長性が魅力的なデータセンターREIT

  • 2022年7月14日
  • 2022年7月14日
  • 配当株

デジタル・リアルティ・トラスト(DLR)はデータセンターを所有・運営する不動産投資信託(REIT)として事業を展開しています。

この REIT は、6大陸26カ国で 290 以上のデータセンターを運営し、世界的に重要な50の都市圏でサービスを提供しています。しかし、デジタル・リアルティはさらに大きな願望を抱いています。同社は、単にデータを保管するだけでなく、企業顧客がそのデータを使ってコラボ レーションやイノベーションを行い、ビジネスを改善できるよう支援しようとしています。

4月下旬に発表された第 1 四半期の決算報告でCEO のウィリアム・スタイン氏は「データセンター・ソリューションに対する強い需要」に後押しされ、記録的な売上高を達成したと述べています。このため、同投資法人は、通期のコアFFO(営業活動によるキャッシュフロー)見通しを、1株当たり6.80〜6.90ドル(中間値で昨年の合計を約5%上回る)に再修正しました。

この FFO の上昇により、デジタル・リアルティは、3月に5%の増配を行い、17年連続の増配を達成しました。これにより、デジタル・リアルティは、新規株式公開以来、毎年配当金を増やしている REIT の一つとなりました。

その一方で、デジタル・リアルティはそのポートフォリオを拡大するための施策を行なっています。アフリカの大手データセンター・プロバイダーであるテラコの株式の過半数を取得したほか、将来の拡張のため、主要なグローバル市場でさらに土地を購入しました。

デジタル・リアルティは、データセンター・スペースへの強い需要を反映し、世界28市場で44の開発プロ ジェクトが進行中で、容量の58%がすでに顧客に予約販売されており、過去最高となっています。

しかし、こうした状況にもかかわらず、デジタル・リアルティの株価は今年上半期に急落しました。その背景には、同社の成長見通しに対する懸念があります。

空売りで知られるジム・チャノス氏はフィナンシャル・タイムズ紙に対し、データセンターREITの大口顧客であるアマゾン、グーグル、オラクル、マイクロソフトといったハイテク大手との競争激化に直面しているデジタル・リアルティに賭けている(空売りを仕掛けている)と語りました。

チャノス氏はデジタル・リアルティと同じデータセンターREITのエクイニクス(EQIX)も同様の理由で空売りするために数億ドルを調達していると述べています。

しかし、多くのアナリストはデジタル・リアルティとエクイニクスを擁護する意見を述べました。例えば、JPモルガンのアナリスト、リチャード・チョウ氏は、容量に対する需要が引き続き堅調であることを指摘してこのセクターに前向きな姿勢を崩しておらず、デジタル・リアルティとエクイニクスが今後大きく成長すると見ています。

デジタル・リアルティの売上は一貫して上昇しており、大きな成功を収めています。しかし、投資家は、クラウド技術を可能にするデジタル・リアルティの役割を理解しておらず、多くの純粋なハイテク株と同様に扱い、2022年前半に株価を急落させました。

しかし、株主は、デジタル・リアルティから 17 年連続の増配を享受しており、直近の四半期配当は 1 株当たり 1.22 ドルで、利回りは 3.9%となります。この配当の旨味とデータセンター事業という時代の先端を行く分野の成長性という2つ面からデジタル・リアル ティは 魅力的な投資先となっています。

*過去記事「インフレ耐性の強い3つのハイテク株

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