ハイテク株中心のナスダック総合指数は今年に入って大きく下落していますが、そんな今こそ、ナスダックに上場している企業のなかで、基礎事業がしっかりしていて、成長が見込まれる企業の株式を購入する絶好の機会です。将来性がありながら見過ごされている成長株をモトリーフールがピックアップしていますので、ご紹介します。
トレードデスク(TTD)
高いインフレ率とサプライチェーンの課題がデジタル広告ビジネスにとって逆風となっていますが、長期的な成長軌道は変わっていません。
広告費はデジタルメディアにシフトしており、プログラマティック・プラットフォームを採用する広告主も増えています。トレードデスクは、このトレンドから大きな恩恵を受けるはずです。
トレードデスクは、メディアバイヤーのための最大の独立した(すなわち、コンテンツと提携していない)アドテク・プラットフォームを運営しており、その規模が同社に優位性を与えています。
同社のプラットフォームでは、クライアントが毎日数千億の広告機会にアクセスでき、キャンペーンごとに多くの消費者データが生成されるため、同社の人工知能(AI)エンジンはコンバージョンを促進する能力が向上しています。
この強力なフライホイールが、強力な導入の原動力となっています。トレードデスクは何万もの広告主にサービスを提供しており、過去8年間、95%以上の継続率を維持しています。
当然ながら、このことが好業績につながっています。過去1年間の売上高は44%増の13億ドルで、業界全体の伸びを簡単に上回りました。言い換えれば、トレードデスクは市場シェアを拡大しているのです。
また、フリーキャッシュフローは12%増の3億9400万ドルとなっており、投資家は、同社が今後数年間、成長を維持、あるいは加速できると考える十分な根拠があります。
Statistaによると、プログラマティック・デジタル広告費は2026年までに7,250億ドルに達すると予想されており、トレードデスクは強固な成長戦略を実行しています。
昨年は、より優れたAIエンジンと「世界最先端のデータマーケットプレイス」でプラットフォームをアップグレードし、メディアバイヤーが広告コンテンツのターゲットを絞り、キャンペーン結果をより効果的に測定できるようにしました。
さらに最近、トレードデスクは、パブリッシャーが同社のプラットフォームと直接統合できるようにすることで、広告サプライチェーンをより効率化するサービス「OpenPath」を発表しました。OpenPathは、アルファベットのGoogle Ad Managerのようなサプライサイドツールを不要にするものです。このような破壊的な考え方を業界に持ち込むことにより、トレードデスクはデジタル広告業界の最前線に立ち続けています。
株価は最近、売上高の18倍程度で取引されています。過去3年間の平均が31倍だったことを考えると随分割安になっており、今が投資の絶好の機会であると考えられます。
*過去記事はこちら トレードデスク TTD
ペイコム・ソフトウェア(PAYC)
ペイコムは、人財管理(HCM)ソリューションに特化しています。同社のクラウドソフトウェアは、採用から退職まで、従業員のライフサイクル全体を管理するのに役立ちます。
具体的には、採用、研修、スケジュール管理、給与計算などのツールに加え、福利厚生管理などの人事機能に関するソリューションも提供しています。
ペイコムのアプリケーションは、単一システム・オブ・レコードに基づいて構築されており、管理者にとってはHCMを簡素化することができます。現在、多くの企業が複数のベンダーのHCMソフトウェアを複雑に組み合わせて使用しているため、従業員データを複数のデータベースに入力し、管理しなければならなりません。
ペイコムは、福利厚生やスケジュール管理などの業務をモバイルアプリで行えるセルフサービス機能により、管理者の負担をさらに軽減します。
このような価値ある提案の積み重ねが、強い需要と堅調な業績につながっています。昨年度の売上高は30%増の11億ドル、フリーキャッシュフローは50%増の2億1200万ドルに達しました。
さらに重要なことは、投資家が、同社が今後何年にもわたって成長軌道を維持できると信じるに足る理由があることです。
チャド・リチソンCEOは、ペイコムが獲得したのは「非常に大きく成長する市場全体の5%」に過ぎないと述べています。
同社は、そのチャンスを生かすために、新しい営業所を開設し、製品ポートフォリオを強化しています。昨年、業界初のセルフサービス型給与計算ソフトを発売し、すでに1万社以上の顧客が同製品を導入しています。これはペイコムの全顧客の4分の1をはるかに超える数です。
このようなイノベーションにより、同社はHCM業界の最前線に立ち続けることができると考えられ、この成長株は今が買い時であると思われます。
*過去記事「市場を驚かせるリターンが期待できるペイコム」