スノーフレーク アナリストによる前向きな評価が相次ぎ株価が上昇

スノーフレーク(SNOW)は、6月14日、ラスベガスで開催された同社のユーザー会議の一環として、アナリストデーを開催しました。この会議において経営陣は2029年度までに売上高が年間約100億ドルに達し、粗利益率が約78%になるという強気の長期的見通しを改めて示しました。

また、同社のクラウドデータプラットフォームのアドレス可能な市場規模について、2480億ドル程度と見ていると上方修正も行っています。

今回の投資家ミーティングにおける発表は、スノーフレイクがデータ分析にとどまらず、サプライチェーン管理やセキュリティといった分野への拡大に成功していることを示しており、現在の同社の株価と評価は魅力的な投資の機会を提供しているというシグナルをアナリストに送った形となっています。

株価は6月15日のマーケットでこれに反応、終値は7.61%増の122.54ドルでした。

Canaccord Genuityは、投資家会議の後、6月15日にスノーフレークをアップグレードしました。アナリストのDavid Hynes Jr.氏は、格付けを「ホールド」から「買い」に引き上げる一方、目標株価は185ドルで据え置いています。

Hynes氏はリサーチノートの中で、「我々は、市場主導の引き下げを利用して、我々がカバーする最高品質の企業の一つをより建設的にしようとしている。ここから完全な直線にはならないかもしれないが、SNOWは今後数年でもっと価値が上がると確信している」と述べています。

Hynes氏は、同社が14日に発表した新製品、Snowflake for Pythonや、ユーザーが異なる種類のデータを同時に処理できる新しいワークロードであるUnistoreに特に感銘を受けたようです。これらの技術革新により、顧客はプラットフォーム上でより多くのことができるようになり、消費の増加と収益性の向上につながると、評価しています。

米国みずほ証券のGregg Moskowitz氏は、スノーフレークの提供するサービスが「競合他社を大幅にリードしている」とし、「買い」の評価と200ドルの目標価格を再度提示しました。

「SNOWは、非常に大きな市場/機会において、強力な新しいワークロードを可能にしている。その結果、SNOWのプラットフォームに対する顧客の消費は、時間の経過とともにさらに大きくなると考えている」と同氏は述べています。

エバーコア ISIのアナリストであるKirk Materne氏は、投資家は「どんな高成長ストーリーにも飛びつく」前に、マクロ経済的背景をもっと明確にしたいと思うかもしれないと認めた上で、スノーフレークは長期的な視野を持つ人々にとってユニークな賭けとなり得ると考えていると評価し、「リスクとリターンが大きくプラスに傾いていると考えており、短期的なボラティリティを許容する人々に対して、アウトパフォームの格付けを再表明する」と記しています。

ただ、全てのアナリストが前向きな評価をしているわけではありません。J.P.モルガンのアナリスト、マーク・マーフィー氏は、スノーフレークを好意的に見ているものの、「ニュートラル」の評価を維持し、目標株価を200ドルから165ドルに引き下げました。

同氏は、現在の水準ではリスクとリターンがかなり釣り合っていると考えており、「過去数十年のソフトウェア業界において、我々が思いつく最も高い評価」であると判断しています。スノーフレークが現在の評価額に成長する可能性はあるものの、すぐに大きなアウトパフォームを見ることは難しいだろうと同氏は考えています。

スノーフレークの第1四半期決算は、売上高が前四半期に比べてやや減速し、投資家をやや失望させ、株価を引き下げました。それでも、ファクトセットによれば、74%のアナリストが「買い」、23%が「ホールド」、3%が「売り」と評価し、ウォール街の大半は強気の姿勢を崩していません。

*過去記事はこちら スノーフレーク SNOW

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