史上最高値から65%ダウンのブロックがお買い得

ハイテク株売りが続くなか、世界最大級のテック銘柄も大打撃を受けています。ブロック(SQ)もそんな銘柄のひとつで、消費者や中小企業(SMB)向けのフィンテック・プラットフォームとしてはトップクラスで、企業による継続的な採用が進んでいるにもかかわらず、株価は史上最高値から約65%下落しています。

その規模やスケール、競争優位性、将来性にもかかわらず、株価は大幅なディスカウントで取引されており、この水準ではブロックは間違いなくお買い得だと思われます。

なぜここまで株価が下落したのか、明確な理由を答えることができる投資家はいないかもしれません。明らかなことは、この大暴落が同社の悪い収益報告の結果もたらされたものではないということです。

ブロックは過去4四半期にわたり、ウォール街の業績予想を上回る成果をあげてきました。つまり、同社の下落は、多くの成長株を襲った業界全体の売りが原因である可能性が高いと思われます。

この下落により、投資家は大きな掘り出し物を手にしていると言えるかもしれません。ブロックは売上高の約3倍で取引されており、主要なライバルであるペイパル・ホールディングス(PYPL)の売上高の4倍と比べると、明らかに低い水準にあります。

ブロックは昨年、2021年の粗利益が前年比62%増の44億ドルと、目覚ましい改善を遂げたことを考えるとその思いは一層強まります。Cash Appのエコシステムがその主な要因で、昨年は粗利益が前年比で69%増えました。

ネットワーク効果は、Cash Appとスクエアのエコシステム内に別々に存在し、さらにそれらの製品間にも存在するというユニークな特徴があります。

ブロックは、売り手がビジネスに利用しているスクエア製品で、Cash Appによる支払いを簡単に行えるようにしました。つまり、より多くの企業がスクエアを採用すれば、Cash Appのユーザーもより簡単に物を購入できるようになり、企業にとってより価値のあるものになります。

Cash Appの2021年12月の月間取引ユーザー数は4,400万人であり、同社は急速に彼らの商品への関与を高めています。同社のキャッシュカードは、12月に月間取引ユーザーの31%が持っており、目覚ましい普及率を示しています。

さらに、ブロックは、簡単かつ無料で確定申告ができる「Cash App Taxes」を展開しました。消費者は、Cash Appで受け取った場合、数日早く還付金を受け取ることができるため、より高いエンゲージメントを促すことができます。

中小企業向け製品であるスクエアのエコシステムも好調です。2021年、スクエアの粗利益の38%は、4つ以上の製品を利用している顧客によるものでした。これらの顧客は、エンゲージメントの低いユーザーと比較して、はるかに利益に貢献しています。

2021年、4つ以上の製品を使用している販売者は、1つの製品のみを使用している販売者に比べて、平均で10倍の粗利益を生み出しています。つまり、このコホートが成長するにつれて、スクエアのエコシステムはますます利益を生むようになり、投資家にとっての魅力が増すことになります。

重要なのは、ブロックがSMB市場における優位性を米国以外の市場でも発揮しようとしていることです。2021年第4四半期のスクエアの粗利益のうち、米国外からのものはわずか9%であり、ブロックにとって大きなチャンスとなっています。

同社は最近、EUで最も急成長しているeコマース市場であるスペインでSMB製品を導入しました。時間が経てばわかることですが、この米国外での事業展開は非常に実りある努力であることが証明されるかもしれません。

ブロックのプラットフォームのあらゆる側面で、このような関与と活動の増加が見られることは素晴らしいことであり、ネットワーク効果とともに、フィンテック業界におけるブロックのリーダーシップを強化するものです。すべての製品が他の部分とつながり、協力的であることは、顧客にとっての価値を劇的に高めることができます。

とはいえ、気になる大きなリスクもあります。最高経営責任者のジャック・ドーシー氏とブロックは、暗号通貨、特にビットコインに関心を寄せています。同社が前向きなのはいいことですが、他の暗号通貨ではなく、ビットコインにしか注目していないようで、これは大きな間違いかもしれません。

暗号業界の歴史は浅く、長期的に勝者を決定するのはまだ難しい状況です。そのため、ブロックはビットコインに賭けるのではなく、複数のトークンに分散して賭けることが、リスクの分散という意味で投資家を安心させることができると思われます。

そうした懸念はありますが、それを考慮に入れてもブロックへの投資はリスクを取る価値があると思われます。

米国で有数のフィンテック・プラットフォームであるにもかかわらず、同社の時価総額は極めて低くくなっています。また、同社は国際的な事業拡大に邁進しており、強固なネットワーク効果を利用して他の大規模市場を支配する可能性もあります。このような複合的な要因から、今日ブロックを購入した投資家が中長期的に大きな利益を得ることができる可能性は非常に高いと思われます。

*過去記事はこちら ブロック SQ

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