エヌビディアの5年後の姿は?

エヌビディア(NVDA) の株価は、2月16日に発表された同社の2022年度第4四半期の業績のあと、10%下落しました。この市場の反応は、エヌビディアがトップラインとボトムラインの素晴らしい成長のおかげでウォールストリートの予想を見事に打ち破ったことを考えると、意外なものでした。

しかし、これは、エヌビディアの主要事業が少なくとも今後5年間は堅調な成長が見込まれることを考えると明らかに売られ過ぎです。

ゲーム事業

エヌビディアの前四半期の最大の収益源はゲームであり、トップラインの約45%を生み出しています。エヌビディアのゲーム事業の売上は、デスクトップとノートブックの両方で同社のグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)に対する需要が旺盛だったことから、前年同期比37%増の34億ドルに達しました。

エヌビディアは、同社のグラフィックカードを搭載したノートPCやノートブックを市場に投入しています。CFO(最高財務責任者)のコレット・クレス氏は、最新の決算発表の電話会議で、同社のRTX 30シリーズカードが160以上の新しいノートPCのデザインに搭載されると述べました。

同時に、エヌビディアのハイエンド・デスクトップ・グラフィックス・カードに対する需要は、前四半期の記録的なデスクトップ売上につながりました。

エヌビディアのゲーム事業が、前四半期に非常に大きな成長を記録し、ガイダンスが示すように、今四半期にもこのパフォーマンスを繰り返すことができるのは容易に想像がつきます。

Jon Peddie Researchによると、ディスクリートGPU市場の83%を支配しているエヌビディアは、この市場での増産分のほとんどを占めることができる強固な立場にあります。

GPU市場は、今後5年間で目覚ましい成長が見込まれています。アライド・マーケット・リサーチは、GPU市場は今後5年間で33.6%の年間成長を遂げ、2027年には2,000億ドルを超えると予測しています。エヌビディアは、その技術的な優位性により、この分野での支配力を失うことはないと思われます。

さらに、エヌビディアは今年、次世代のゲーム用GPUを発表する予定で、現世代のカードに比べて2倍以上の演算能力を持つ可能性があります。このように、GPU市場におけるエヌビディアの覇権は今後も継続し、今後5年間の成長を加速させていくことが予想されます。

データセンター事業

一方、データセンター事業は、エヌビディアの前四半期の売上の約43%を占めています。このセグメントの売上は前年同期比で71%増加しており、同社のゲーム事業よりも速いペースで成長していることになります。

エヌビディアはデータセンター用GPU市場の80%以上を占めていると言われており、この分野の大幅な成長は驚くべきことではありません。

クラウドコンピューティングの大口顧客は、エヌビディアのデータセンター用GPUをこぞって購入しており、これらの顧客からの売上は前年比で2倍以上に増加しています。

一方、エヌビディアのデータセンター向けGPUの売上は、人工知能(AI)ワークロードの増加を理由に、前年比で3倍に増加しました。

第三者機関の調査によると、データセンター向けGPU市場は、今後5年間の年間成長率が42%に達し、2027年には200億ドルを超えると予測されています。エヌビディアは、強固な市場シェアと急成長する売上高により、この機会を最大限に生かすことができる優れた立場にあります。

プロフェッショナル・ビジュアライゼーション・ビジネス事業

エヌビディアのプロフェッショナル・ビジュアライゼーション事業は、前四半期に記録的な6億4,300万ドルの売上を上げ、前年同期比109%の成長を記録しました。

同事業の突出した成長の背景には、より高価なワークステーションの需要の増加に加え、同社のグラフィックス処理能力を用いてハイブリッドな作業環境を構築するニーズがあります。

例えばデューク・エナジーでは、エネルギー生産・供給施設のマッピング、表示、保守にエヌビディアのGPUを使用しています。一方、Motionは、同社のグラフィックカードを使用して、車両の予測的なメンテナンスを行っています。特にメタバースの普及を考えると、物理的なオペレーションをデジタル化するためにエヌビディアのGPUを利用する企業が増えても不思議ではありません。

メタバースは、企業が物理的なオペレーションを仮想世界に持ち込むことを促進し、エヌビディアに巨大な成長機会をもたらすと見られます。エヌビディアのオムニバース・エンタープライズ・ソフトウェア・プラットフォームが、すでに複数の重要な企業ライセンシーと契約しており、初期段階における牽引力を発揮しているのはこのためです。

オムニバース・エンタープライズ・ソフトウェア・プラットフォームの最低発注額は年間9,000ドルであり、このプラットフォームを使用するライセンシー数の増加は、同事業のビジネスに大きな刺激を与えることになると思われます。

さらに、メタバース市場は、2020年の450億ドルから2027年には5,960億ドルに成長すると予想されており、プロフェッショナル・ビジュアライゼーション・ビジネス事業は、今後5年間で今よりもはるかに大きな事業になる可能性があることを示しています。

5年後の姿

上述した巨大な成長機会と、複数の市場におけるエヌビディアの圧倒的な地位から、同社の売上は今後5年間、年平均成長率(CAGR)で35%近くを記録する可能性があります。

このペースでいけば、エヌビディアの調整後利益は、2022年度の1株当たり4.44ドルから、5年後には20ドル近くまで増加する可能性があります。

今後5年間も同様の倍率で、上記で算出した予測利益を得られると仮定すると、エヌビディアの株価は800ドルに達する可能性があります。

これは、同社の2月18日の終値から240%のアップサイドがあること、株価が3.4倍になる可能性があることを示しています。このことからも、エヌビディアが、今、買うべき最高の成長株のひとつであることがわかります。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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