テスラ(TSLA)が1月2日に2021年の第4四半期の納車台数が記録的だったことを発表したことにより、アナリストたちの業績予想と株価のアップグレードが相次いでいます。
J.P.モルガンのアナリスト、ライアン・ブリンクマン氏は、テスラの目標株価を250ドルから295ドルに引き上げましたが、引き続き「売り」と評価しています。
引上げと言っても約1,170ドルの現在の株価が大きく下がることを同氏は引き続き予想していることに変わりはありません。同氏は2021年の販売台数で世界最大の自動車メーカーであるトヨタの時価総額が約3,000億ドルであるにもかかわらず、テスラの時価総額が1兆ドルを超えていることを問題視しています。
ブリンクマン氏の第4四半期の業績予想は、1株当たり1.54ドルから2.22ドルに上昇しました。また、2022年の一株当たりの収益を、従来の8.25ドルから9ドルに引き上げています。ウォールストリートでのコンセンサスは、2022年、1株当たりの収益が9ドルを少し下回ることを予想しています。
RBCのアナリストであるジョセフ・スパック氏は、「2021年を締めくくる(そして2022年を始める)花火」と書いています。同氏は、売上が自分の考えていたよりも高くなる可能性が高いとし、目標株価を950ドルから1,005ドルに引き上げました。
スパック氏の財務モデルでは、第4四半期の1株あたりの収益は2.09ドルから2.81ドルになるとしています。また、2022年の収益予想は、従来の9.71ドルから10.15ドル程度に増加しました。
コーエンのアナリスト、ジェフリー・オズボーン氏は、目標株価を1株当たり625ドルに据え置きましたが、スパック氏と同様に、第4四半期と2022年の収益予想を上方修正しました。第4四半期の業績予想は1.66ドルから2.07ドルに引き上げ、2022年の業績予想は6.22ドルから8.37ドルに引き上げています。
スパック氏とオズボーン氏は共にテスラ株を「ホールド」と評価しています。
ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏とニュー・ストリート・リサーチのアナリスト、ピエール・フェラグ氏は、ともにテスラ株を「買い」と評価していますが、株価の目標値や収益の予想は変えていません。
アイブズ氏は、株価が1,400ドルまで上昇すると見ており、2022年の1株当たりの利益は7.80ドル近くになると予想しています。
フェラグ氏の目標株価は、ウォール街で最も高い1,580ドルで、テスラは2022年に150万台の車両を納入する可能性が高いとし、2022年の一株当たりの利益を約12.70ドルと予想しています。ウォール街のコンセンサスの納入台数は約140万台となっています。
ドイツ銀行のアナリスト、エマニュエル・ロスナー氏は、第4四半期の業績予想を従来の2.46ドルから2.70ドルに上方修正し、2022年の1株当たりの利益を10.65ドルとする以前の予想を維持しています。同氏は、2022年の1株当たりの収益予想を10.65ドルとする一方で、第4四半期の収益予想を2.46ドルから2.70ドルに引き上げました。
全体として、2022年の収益に関するウォール街のコンセンサスは1株あたり約20セント上昇し、株価の平均目標は約20ドル上昇しました。つまり、ウォール街では追加収益の100倍に相当する株価上昇を期待しているのに対し、株価は2022年の推定収益の約125倍で取引されています。
1月3日の市場でテスラは前営業日比10.83%増の1,171.20ドルで取引されています(米国東部時間12:52PM)。
*過去記事はこちら テスラ TSLA