アマゾン 1兆ドルクラブでひとり出遅れた株の反転は?

ウォール街のほぼ全員が何かに同意するというのは珍しいことですが、アマゾン・ドットコム(AMZN)の評価に関してはそんな稀有な例のひとつかもしれません。

ブルームバーグのデータによると、アマゾン株を評価しているアナリスト55人全員が、顧客にアマゾン株の購入を勧めています。8月10日付のBank of Americaのレポートによると、アクティブ・ファンド・マネージャーは1年前よりもアマゾン・ドットコムを「さらにオーバーウェイト」しているとのことです。

しかし、7月に発表された予想外に弱い売上高の見通しが、同社の成長ストーリーを複雑にしているため、この満場一致の「買い」評価が試されています。

投資家は、同社のサービスに対する需要が急増したパンデミックが終わったあとの同社の見通しを疑問視しており、株価は7月初旬のピーク時から約14%下落し、約2,530億ドルの価値が失われています。

今週初め、株価は6月以来初めて200日移動平均線を下回り、年初来安値を更新しました。

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Bokeh Capital Advisors社の創業者兼最高投資責任者(CIO)であるキム・フォレスト氏は、ブルームバーグ・テレビジョンのインタビューで、「市場は成長に報いるものであり、アマゾンがユーザーの支出を増やしたり、より多くのユーザーを獲得したりするための触媒を持っているようには見えない」と述べました。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は8月19日、アマゾンが米国内にデパートのような大型店舗を複数開設する計画があることを報じましたが「アマゾンがデパート参入?実店舗での活動を拡大中」、株価を好転させるニュースにはならないようです。

アマゾンの業績不振は、市場全体だけでなく、時価総額1兆ドル以上の米国企業の中でも際立っています。アップル、マイクソフト、アルファベットは、S&P500指数と同様に、今週記録を更新しました。フェイスブックの株価は、最高値を約5%下回る水準にあります。

アマゾンは先月、2018年以来の第1四半期の売上高が予想を下回ったことに伴い、市場を失望させる見通しを発表しました。

アナリストたちは、この報告を受けて予想を縮小しました。ブルームバーグがまとめたデータによると、アマゾンの今期については、売上予想の平均値が過去1カ月間で約16.5%下がっています。売上高のコンセンサスは、同じ期間に65億ドル(5.5%)近く下落しています。

ストラテガス・リサーチ・パートナーズのパートナーであり、テクニカル・マクロリサーチ部門の責任者であるクリス・ヴェローン氏は、まだ株価は技術的に売られすぎているようには見えないとし、より慎重になるべきだと考えています。

ブルームバーグの電話インタビューに対し「今は逆張りの時代であり、すべてのアナリストが楽観的であれば、その期待に応えるのは難しい。アナリストが屈服して格下げを始めるまでは、下降局面が続くと思う」と答えています。

もちろん、アマゾンに対するポジティブなコンセンサスが形成されていることは、多くの人がこの弱さを買いのチャンスと見ていることを意味します。

アナリストは、成長率がパンデミック時代の水準から減速しても、オンライン小売部門やクラウドコンピューティング部門、さらには広告事業の優位性が高まっていることなどから、長期的には追い風になると見ています。

アナリストの平均的な目標株価は、30%近い上昇を示唆しており、メガキャップ企業の中で最も高いアップサイドが期待されています。

MKM パートナーズのマネージングディレクターであり、グローバル・テクノロジーセクターのスペシャリストであるダン・フォーマン氏は、「現在の株価水準は間違いなくチャンスである」と述べ、株価は成長への懸念を織り込んでおり、第4四半期以降は前年同期比での比較が容易になると見ています。

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