ブロードコムが200億ドル規模の買収を交渉中

  • 2021年7月13日
  • 2021年7月13日
  • BS余話

ブロードコム(AVGO)がエンタープライズ・ソフトウェア企業のSAS Instituteを200億ドル規模で買収する交渉を行っていると、ウォール・ストリート・ジャーナルが7月12日に報じました。

半導体とインフラ・ソフトウェアの大手であるブロードコムは、SASを150億ドルから200億ドルで買収すれば、すでに大規模な同社のエンタープライズ・ソフトウェア事業をさらに強化することになると、交渉に詳しい関係者がウォール・ストリート・ジャーナルに語ったそうです。この事業部門は、2015年にアバゴとブロードコムが370億ドルで合併したことで急成長しました。

SASの年次報告書によると、SASの昨年の売上は30億ドルで、150億ドルから200億ドルでの買収は、2020年の売上のおよそ5倍から6.7倍の評価であることを示しています。

150億ドルから200億ドルという取引価格は、SASの企業価値に基づいています。この企業価値には通常、負債が含まれており、企業の財務諸表では現金で調整されています。

ノースカロライナ州に本社を置くSASは、カスタマーインテリジェンス製品やビジュアル分析製品など、さまざまな企業向けソフトウェアを販売しています。年次報告書によると、同社のソフトウェア売上の30%を銀行関係が占めており、政府機関が17%、保険が11%となっています。

SASは約40年前にジム・グッドナイト氏とジョン・サル氏によって設立されました。現在、同社は12,545人の従業員を擁しており、現在も創業者の2人が経営しています。

ブロードコムは、コストを削減し、キャッシュフローを生み出すために買収を行ってきており、今回の買収もそうした狙いがあるものと推測されます。

ブロードコムは、買収が成立した場合、自社株を使ってSASを買収する可能性が高いと見られます。

世界的な半導体需要の急増もあって、PHLX半導体指数(Sox)が60%上昇する中、同社の株価は過去1年間で約52%上昇しています。。また、同社のバランスシートには約400億ドルの負債があることから、買収を完了するために借金をすることはおそらくないと思われます。

ブロードコムは、アブゴののCEOだったホック・タ CEOの下で、子会社のポートフォリオを大幅に拡大してきました。

2018年にソフトウェアのCA Technologiesを190億ドルで買収した後、シマンテック・エンタープライズ・セキュリテイ・ビジネスをおよそ100億ドルで買収しました。2018年にはクアルコム(QCOM)を買収しようとしたものの失敗、2019年にアルゴンデザインを10億ドルで買収しています。

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