アマゾン 新時代でも「強さ」に揺るぎなし

アマゾン・ドット・コム(AMZN)の創業者ジェフ・ベゾス氏は、同社の27回目の誕生日である7月5日月曜日に同社のCEOを退任します。跡を引き継ぐのはアマゾンで24年間クラウド事業を指揮してきたアンディ・ジャシー氏。アマゾン2代目CEOの誕生です。

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パンデミックの間、アマゾンのビジネスは輝いていました。第1四半期の売上高は前年同期比44%増と、2011年以降の四半期で最高の伸び率を記録し、純利益は81億ドルと、四半期としては過去最大の利益を上げました。需要の急増に伴い、アマゾンは2020年に50万人以上を雇用し、総従業員数は130万人以上に増加しました。

しかし、素晴らしい業績にもかかわらず、この1年間のアマゾンの株価の動きは物足りないものでした。S&P500指数が15%上昇したのに比べて、アマゾンの株価の上昇幅は6%。株価が冴えない理由はいくつか考えられますが、大きな要因としてあげられるのが、投資家がCEOの交代を不安に感じているというものです。

というのも、一代で築き上げたハイテク大手企業において、創業者であるCEOの交代は、大きなインパクトを会社の業績に与えるからです。

成功例としては、2011年にスティーブ・ジョブズ氏からトップの座を引き継いだアップルのティム・クックCEOが挙げられます。同氏が就任してからアップルの株価は1,000%上昇するという大成功を収めました。

反対の例としては、マイクロソフトのCEO交代。2000年1月にスティーブ・バルマー氏がビル・ゲイツ氏の後を継いでCEOに就任し、14年間もその座にとどまりました。その間、マイクロソフトの売上は3倍になりましたが、株価は鳴かず飛ばずに終わりました。

果たして、ジャシー時代のアマゾンはどちらなのか投資家は注目しています。

ジャシー新CEOが抱える問題は山積しています。足元では、パンデミック後に懸念される電子商取引の成長の鈍化にどう対応するかという問題、より中長期的な問題としては独占禁止法の適用によりアマゾンの活動を制約したり事業を分割しようとする動きが米国政府や政界で活発になっていること、などがあげられます。

ジャシーCEOの手腕がどう発揮されるかが注目されますが、その結果がどうあれ、2代目CEOの時代になってもアマゾンの業績に翳りは訪れないと個人的には確信しています。

企業解体など行われず今のままの形態でアマゾンがこの先も事業を続けた場合、3年以内に時価総額が3兆ドルになる可能性は非常に大きいと考えます。

過去記事「アマゾンに70%の上昇余地」「アマゾン 高収益を支える3つの柱」にも書きました通り、アマゾンの3つの事業はこの先もその強さを発揮します。

AWSで1.2兆ドル、アマゾンの中核事業である小売事業で1兆ドル、そして広告事業で6,000億ドル。これに、急成長している物流部門や、まだ成長段階にあるヘルスケアサービス部門など(他にもたくさんありそうですが)を加えて3兆ドルという計算は決して夢物語ではありません。

では、最悪のケースと言いますか、事業の解体を強いられるような事態になった場合はどうなるのでしょうか。非常に心強い試算がバロンズ誌に掲載されていました。

例えば、アマゾンのクラウド部門であるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)を独立した事業として切り出すことを余儀なくされた場合。クラウドソフトウェアの人気企業であるスノーフレーク(SNOW)と同じ売上倍率で計算すると、AWSの時価総額は4兆ドル以上になるそうです。

まあ、ちょっと無理筋の計算ではありますが、アマゾンの基礎的な資産がいかに大きく強力であることを示すものではないでしょうか。

紆余曲折、いろんなことがあったとしてもアマゾンの強さに揺るぎはなさそうです。中長期投資家にとってジャシー氏のアマゾンは明らかに「買い」です。

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