アファーム 見過ごすには安過ぎる

「今すぐ買って後で払う」ことで知られるアファーム・ホールディングス(AFRM)の株価は今年に入ってから暴落しています。そんな同社株に対して、BofA証券のアナリスト、ジェイソン・クッファーバーグ氏が「中立」から「買い」に格上げし、目標株価を71ドルとすることを6月1日に発表、62ドル近辺で取引されている現在の株価は「見過ごすには安過ぎる」と述べています。

アファーム・ホールディングスは米国のフィンテック企業。主にオンラインやモバイルでのEコマースにおける後払いサービスを提供する。若年層にユーザーが多く、商品の購入時点で融資を申し込み、後払いや分割払いの支払いを簡潔で透明性のあるプロセスにする。本社所在地はカリフォルニア州サンフランシスコ。

出所:Yahoo! JAPAN ファイナンス

アファームの株価は、同社がいくつかの逆風に直面していることから、今年に入って34%下落しています。同社は、購入時にゼロパーセントの短期融資を提供する仕組みを取っており、カスタム分割払いプランで支払いを完済するオプションもあります。

同社のビジネスは順調に見えましたが、最大のマーチャントパートナーであるペロトン・インタラクティブ(PTON)がトレッドミルのリコールの問題で揺れていることが、アファームの売上を圧迫しています。

また、アファームが高成長・高倍率のグロース株であり、金利上昇に伴い投資家から敬遠されているタイプの銘柄であることから、空売りが多いことも株価の低迷要因となっています。

同社が5月に発表した第1四半期の決算後、複数の証券会社が目標株価を引き下げました。クレディ・スイスは、5月11日に85ドルから70ドルに引き下げ、「ニュートラル」の評価を維持しました。RBCキャピタル・マーケッツは、155ドルから87ドルに引き下げ、「買い」を維持しました。

しかし、クッファーバーグ氏は、いくつかの理由から、この銘柄に価値を見出しています。

ひとつは、アファームがショッピファイ(SHOP)との強い関係や、ペロトン以外のマーチャントとの関係を強みとしていることもあり、2021年と2022年の同社がアクセス可能な市場総量と売上高のコンセンサス予想が低すぎると見ていること。

また、同社が消費者ローンとローンポートフォリオの利益からなる金利収入からより多くの収益を得ていることにも注目しています。

加えて、同社の収益源の多様化や、貯蓄口座や今年末に発売予定のブランドデビットカードなどの決済プラットフォームも気に入っているようです。

浮動株の29%という高い空売り比率は、逆にアファームに有利に働く可能性があります。事業が予想以上に改善した場合、価格が上昇して、いわゆるショートスクイーズが発生する可能性があるからです。

「今すぐ買って後で払う」というBNPL事業において、アファームはペイパル(PYPL)やその他のライバルとのより厳しい競争に直面しています。特に、ペイパルが標準的な手数料に加えてBNPLのための追加料金を加盟店に請求していないことを考えると、BNPLサービスのために加盟店に請求する料金が低下すると、アファームの利益が圧迫される可能性があります。

目標株価71ドルという数字は、アファームが2022年の推定売上高13億5,000万ドルの15倍の価格で取引されることを意味します。これは、アフターペイ (AFTPY)、ペイパル、スクエア (SQ)といった他の決済・BNPL企業と比較しても、若干高め。しかし、クッファーバーグ氏は、アファームの業績が良くなっており、トップラインの成長が他の同業他社よりも速いことから、このプレミアムは正当化されるとしています。

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