ニュー・ストリート・リサーチのアナリスト、ピエール・フェラグ氏は、5月28日、アップル(AAPL)の株価を「ニュートラル」から「売り」に格下げし、目標株価を135ドルから90ドルに切り下げました。
アップルは、毎年秋にiPhoneのラインナップを更新しています。2020年に発売された「iPhone 12」は、5G対応の新機種ということで期待感が高まり、需要が急増、3月期には、アップルのiPhoneの販売台数は66%も増加しました。少なくともあと数四半期は、好調な需要が続くはずだと見られています。
しかし、秋にはiPhone 12の後継機種であるiPhone 12S(あるいはiPhone 13)の発売が控えています。1年前のiPhone 12のときとは異なり、次期iPhoneについてはあまり話題になっておらず、機能があまり改善されない可能性があるため、需要が減少する可能性があります。
これがフェラグ氏が5月28日のレポートで明らかにした基本的な見解です。「売り」に格下げした同氏は、業績予想がここから下がることを予想し、株価が20%から30%下がる可能性があると見て、目標価格を135ドルから90ドルに引き下げています。
同氏は、iPhone 12は本当に「スーパーサイクル」に拍車をかけ、2014年に発売されたiPhone 6以来、アップルの携帯電話の売上が最も強く伸びた機種だとしています。
しかし同氏は、現在の売上急増がインストールベースを「若返らせ」、次の機種への需要を阻害する可能性があると考えています。
また、経済が回復すれば、消費者の電子機器への支出は全般的に少なくなると予想しています。要するに、秋に発売される携帯電話の評判は「lukewarm-to-cold(生ぬるいか、冷たい)」ものになるだろうとフェラグ氏は考えています。
同氏は、2022年9月期のiPhoneの販売台数は、2021年9月期のコンセンサス予想に比べて2%増の2億3,400万台になると予想しています。
しかしそれは、今年の秋に発売されるiPhoneが同社の歴史の中で最も魅力的なものになることを意味しており、同氏はその可能性は低いと考えています。
出荷台数が現在のコンセンサス予想を少なくとも15%下回る1億8,000万台から2億台になると予想し、9月と12月の両四半期については、市場予想を下回るとフェラグ氏は考えています。