ID管理ソフトウェア企業のオクタ(OKTA)が5月26日のマーケット終了後に、4月30日に終了した会計年度第1四半期決算を発表しました。
業績が予想を上回ったものの、発表された通期のガイダンスの内容が修正されたことや、最高財務責任者(CFO)のMike Kourey氏が突然辞任したことを明らかにしたため、5月26日の時間外取引で株価は下がっています。
第1四半期の売上高は、前年同期比37%増の2億5,100万ドルで、ガイダンスの範囲である2億3,700万~2億3,900万ドルを上回りました。
非GAAPベースでは、1,500万ドル(1株当たり10セント)の損失となり、ガイダンスの範囲である1株当たり20~21セントの損失を上回りました。GAAPベースでは、1億900万ドル(1株当たり83セント)の損失となっています。
将来の成長を示す指標であるパフォーマンス・オブリゲーションは、52%増の18億9,000万ドル、請求額は74%増の3億6,400万ドルとなりました。フリーキャッシュフローは21%増の5,300万ドルでした。
同社は、アイデンティティソフトウェアプロバイダーであるAuth0社の65億ドルの買収完了を反映して、7月の四半期および2022年1月の会計年度のガイダンスを修正しました。
第4四半期の売上高は、2億9,500万ドルから2億9,700万ドルとなり、2億5,800万ドルという業界のコンセンサスを大きく上回ります。
一方、非GAAPベースの1株当たり損失は、従来予想の11セントに対し、35~36セントと予想しています。
通期の売上高は、前回予想の10億8,000万ドルから10億9,000万ドルを上回り、45%から47%増の12億1,500万ドルから12億2,500万ドルになると予想しています。同社の修正予想では、非GAAPベースの1株当たりの損失は、前回予想の44~49セントに対し、1.13~1.16ドルになるとしています。
また、Kourey氏が6月1日付でCFOを退任することを発表。現財務部長兼財務担当上級副社長のBrett Tighe氏を暫定CFOに任命しました。今後、後継者の人選を開始するとのことです。
最高経営責任者(CEO)のトッド・マッキノン氏は、「オクタにとって今期も好調な四半期であり、営業キャッシュフローおよびフリーキャッシュフローが過去最高となった」と述べました。
同氏によると、特に企業顧客からの需要が高く、年間10万ドル以上の収益を上げている顧客の数は、当四半期に125社増加して2,000社を超えたとのことです。
また同氏は、Auth0の買収が5月3日に完了したことで、この買収が第2四半期の業績に完全に反映されることになるとも述べています。第2四半期および通期のガイダンスの修正には、Auth0の成長事業としての地位(オクタの他の事業よりも収益性の達成が遅れていること)と、売上と費用の両方に影響を与える購入会計上の発生を反映しているとのことです。
CFOの交代については、マッキノン氏はKourey氏と「お互いに合わないと判断した」と述べています。監査委員会の委員長を務めていたオクタの元取締役であるKourey氏は、前任のCFOであるBill Losch氏の退任に伴い、12月にCFOに就任しました。
また、オクタは、元オラクルのCFOで、現在Bessemer Venture Partners社に所属するJeff Epstein氏が取締役会に加わり、監査委員長を務めることになったと発表しています。
ビジネスの基調について聞かれたマッキノン氏は、「ビジネス環境は正常化し始めている」とし「パンデミックによってオクタのソフトウェアのニーズが高まっている」と述べ、リモートワークへの依存度の拡大と、サイバーセキュリティへの懸念の高まりの両方から恩恵を受けているとしています。「次の数四半期は非常に好調に推移するだろう」と同氏は語っています。