ネット広告業界を揺るがすクッキー規制問題ですが、この問題に関するいろんな情報、捉え方が出てきました。
まず、トレードデスク(TTD)のジェフ・グリーンCEOが、クッキーが影響を与えるのは、現在のデータ駆動型広告の約20%に過ぎないことを指摘したという情報が目をひきます。
20%が多いか少ないかの判断は人によるとは思いますが、壊滅的な数字ではないことが知られはじめているみたいです。
そして意識されはじめているのが、クッキーがコネクテッドTV(CTV)広告に影響を与えないこと。広告業界で現在最も注目集めていると言っても過言でないこの媒体が問題とは無縁であることは重要です。
ジェフ・グリーンCEOによる先月の第4四半期の決算説明会での発言にも注目すべきです。
トレードデスクにとっては、アイデンティティのモデルやアプローチが何であるかは本当に重要ではありません。私たちは関係なく成功を収めることができます。実際、私たちは(ユーザー追跡技術のない世界では)不可欠な存在になると断言できます。
クッキーは便利なもので、ネット広告は全てといっていいほど、これを利用しています。それが規制されるとなると、オンライン広告スペースの多くのバイヤーは、彼らのデジタル広告費を最大限に活用することが困難になります。その結果、どうなるか。彼らは仕事を成し遂げるために経験、専門知識、および代替ツールを持っている専門家に頼るようになり、その多くが、トレードデスクに依存するようになる。グリーンCEOの言葉はそんな未来を想像させます。
もちろん立場が立場だけにその発言が合っているかどうかは割り引いて考えることが必要でしょうが、それでも説得力を持つ内容であることは確かです。
ケーブルテレビ、新聞、ダイレクトマーケティング・メールなどに割り当てられていたマーケティング予算がデジタル広告スペースへ移行する動きは加速されています。プライバシーの要求が高まっても、企業が製品やサービス、ブランド名をできるだけ効率的に宣伝することを止めることはできません。
そのためにトレードデスクやマグナイトのような専門家が構築したプラットフォーム・ツールからのサポートを必要とされることになるのはある程度正しいのではないでしょうか。
多くの投資家が、グーグルのユーザー追跡の変更がトレードデスクのビジネスに打撃を与えると考えたため、同社の株は10週間で33%値下がりしました。
逆にこの変更がフォローの風になるかもしれないとの未来予想図が描かれはじめたいま、トレードデスクは買いなのかもしれません。
全部売らないでよかった(^^;)