ハイテク株というと、景気の良し悪しに関係なく、自分のビジネスモデルで成長を続けるといったイメージを持ちがちで、現に昨年などはそうした企業が業績を伸ばし株価を上げてきましたが、全てのハイテク株がそうとは限りません。
モルガン・スタンレーのアナリストとストラテジストのチームは2月28日、テクノロジー・ハードウェアと半導体関連株が経済の動向の影響を受けやすいハイテク株であることを指摘。マクロ環境が改善している時に恩恵を受ける傾向があるとし、製造業PMIが伸びているときは、この両分野のハイテク株の株価の値動きが時価総額上位1500社のそれを上回っていることを明らかにしています。
製造業PMIはここ数ヶ月50という高い水準で推移したあと、2月の製造業PMIが60に跳ね上がったことが3月1日、発表されています。
モルガン・スタンレーのアナリストはまた、ハイテク・ハードウェア株が、ハイテクセクター全体やS&P 500と比較して、歴史的平均値より大幅に安く取引されていると指摘しています。
これを受け、バロンズが景気回復の恩恵を受ける可能性のあるハイテク株を選定しました。方法は、ラッセル3000のテクノロジー・ハードウェアおよび半導体サブセクターの企業の中で、同指数の11月以降のリターン24.4%に遅れをとっており、かつ、同指数の予想PER(forward P/E)24.2倍を下回る予想PERの企業を選別するというもので、選ばれたのは以下の13銘柄です。
会社名 | ティッカー | 予想PER | リターン |
TTMテクノロジーズ | TTMI | 11.24 | 20.40% |
ルメンタム・ホールディングス | LITE | 13.54 | 10.90% |
ジュニパーネットワークス | JNPR | 14.35 | 24.20% |
フォトロニクス | PLAB | 15.18 | 23.60% |
シーラス・ロジック | CRUS | 16.90 | 20.10% |
プレクサス | PLXS | 17.30 | 24.60% |
クアルコム | QCOM | 18.03 | 12.80% |
コーニング | GLW | 19.76 | 24.30% |
モトローラ・ソリューションズ | MSI | 20.79 | 15.20% |
キュービック | CUB | 21.69 | 18.10% |
CTS | CTS | 21.95 | 18.80% |
CMCマテリアルズ | CCMP | 22.20 | 23.20% |
ガーミン | GRMN | 23.94 | 24.80% |
ラッセル3000 | 24.20 | 24.40% |
クアルコム (QCOM)、シーラス・ロジック (CRUS)、ルメンタム・ホールディングス (LITE)は、消費者や企業向けの様々な電子機器に使用されている半導体や関連部品の設計者またはメーカーです。
コーニング(GLW)は、スマートフォンの画面や光ファイバーケーブル用のガラスを製造しています。
ガーミン (GRMN)、ジュニパーネットワークス(JNPR)、モトローラ・ソリューションズ (MSI) は、サプライチェーンの少し下流の方で、完成した通信やその他のハードウェアを組み立てて販売しています。
CMCマテリアルズ (CCMP)、CTS (CTS)、キュービック (CUB)、プレクサス(PLXS)、および TTMテクノロジーズ (TTMI) は時価総額が50億ドルに満たない小型株です。