このところアマゾンの値動きがよくありません。昨年7月10日に3,200ドルの水準に達して以来低迷が目立ちます。ようやく本日(2月17日)3,308.64ドルに達しましたが、7月からの上昇率は3%あまりに過ぎません。その間、ナスダック総合指数が30%上昇したのと比較するとその低迷ぶりは顕著です。
そんなこともあって昨日お伝えしたバロンズ選定の割安株リストに載るようなことになっているのですが、16日、シティのアナリストであるジェイソン・バジネット氏がアマゾンを評価するレポートを出して、同社の買いを推奨しています。
同氏はアマゾンのアウトパフォームの評価を維持して、目標価格を3,600ドルから3,700ドルに引き上げました。その理由としてあげられたのが次の8つです。
- Eコマースの市場はまだほとんどが未開拓。米国での普及率はわずか20%にとどまっており、成長の余地は十分に残されている。
- アマゾンの米国Eコマース市場でのシェアは30%弱
- 海外市場での成長の可能性。アマゾンの売上の70%は米国からだが、2020年は海外市場の成長率の方が高かった。昨年の海外からの税引前利益が2013年以来初めてプラスになったことにも注目している。
- BtoCから利益率の高いBtoBサービス(フルフィルメント、配送、広告、AWS)へのシフト。
- 広告収入の増加。2021年4,690億ドル、2022年5,520億ドル、2023年6,360億ドルの売上が見込まれる。
- アナリストの収益予想は達成可能。コロナ対策関連の支出が減ってきている。
- 投資資本利益率は健全な状態を維持。
- 現在の株価は過去8年間で最も割高感が少ない。
ものすごい決算を発表したのに、アマゾンの株価が冴えないのは、ベゾスのCEO交代が発表されたからだという声がもっぱらです。
しかし、決算で発表された通年の売上高は38%増の3,860億ドルという驚異的な数字でした。わずか1年で1000億ドルの売上の追加。同業であるターゲット1社分(890億ドル)をはるかに上回る金額を新たに加えたわけですから驚きです。
そして足元の第1四半期の成長率は40%になると経営陣は予測しています。勢いはしばらくの間、止まりそうにありません。