ディールロジックがこのほど発表したところでは、米国市場における1月のIPOは合計で116件で390億ドルを調達しました。2020年1月の13件、34億ドルと比べると前年同月から10倍以上の増加になります。
これは同社が1995年にこのセクターの追跡調査を開始して以来、1月の合計としては最高の数字でした。
これまでのところ、今年最大のIPOは、約22億ドルを調達したイスラエルのモバイルゲーム会社プレイティカ・ホールディング(PLTK)。
19.2億を調達した太陽光発電装置のメーカー、ショールズ・テクノロジーズ・グループ(SHLS)が2位につけています。
そして、3位は、15億ドルを集めたクアルトリクス・インターナショナル(XM)となっています。
1月にこれほどIPOが多かったのは、2020年の混乱が影響しているようです。
昨年のパンデミックの影響でIPOが3ヶ月近く停止したため、一部の新規銘柄の上場が保留になっていました。
2月16日をすぎるとIPOには昨年1年間フルの決算書類の提出が必要になるため、9月までの決算でOKな今の時期に急いでIPOを行う企業が増えているそうです。
IPO後、株価が大きく上がっている会社が目立ちます。
ポシュマーク(POSH)は142%近く急騰。キリアン・インターナショナル・ホールディング・グループ(QLI)は初日に2倍になりました。4億ドルと今年5番目に大きな案件だったアファーム・ホールディングス(AFRM)は99%近く急騰しています。
今後のIPOの動向ですが、ヘルスケアとテクノローのIPOが引き続き上位を占めると予想されます。また2020年に最も忙しい分野だったバイオテックも引き続き話題になりそう。そして、政治状況に左右されますが、中国企業の米国上場も噂されます。
続くと見られるのが、特別買収目的会社(SPAC)のブーム。ブルームバーグがまとめたデータによると、1月に完了したSPACのIPOは計約260億ドルと、昨年10月に記録した月間ベースの最高を上回ったとのこと。2021年もSPACのIPOは多くなりそうです。